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第八章・17

 部屋を出て、一階へ降りてリビングへ。  そこには、両親を待たせている。  重要な話があるのだ。 「准は、どうだった?」  そう一番に訊いてくるのは、母だ。 「食事は全部食べたよ。ただ、やはり腹痛が続いているみたいで」 「心配だわ……」  気を揉む母には申し訳ないが、丞はソファに掛けるとさらに精神に悪い話を始めた。 「俺を、勘当して欲しいんです」  あまりの申し出に、両親は乱れた。 「正気か!」 「丞!?」  本気です、と断った後に、丞は淡々と説明していった。 「俺と准とが兄弟である限り結ばれることがないのなら、兄弟でなくなればいいんです」

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