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第九章・4

 心身ともにショックを受けた准は、一週間学校を休んだ。  その間、丞も会社を休み、ずっと彼の傍に寄り添っていた。  着替えを手伝い、食事を口に運び、シャワーを浴びさせた。  献身的な、介護だった。 「兄さん、今日は僕、学校へ行くよ」 「大丈夫なのか?」 「うん。兄さんも、いつまでも会社休んでちゃクビになるよね」  俺の方は有給がたっぷり溜まってるから平気だ、という丞に、准は首を振った。 「このまま兄さんに甘えてちゃ、僕いけないと思うんだ。死んだ赤ちゃんに、申し訳ないと思うんだ」 「准」  この若さで、生と死の厳しさ、悲しさを知ってしまったのか。  しかし、それを越えて歩もうとする准に、丞は感動していた。 「気分が悪くなったら、すぐに連絡しろよ? 迎えに行くから」 「秀斗がいるから、大丈夫」  秀斗か。  彼もまた、丞を悩ませる要因の一つだった。

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