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第九章・6

 秀斗の表情は、固かった。  何て声を掛けようか。 「体の具合は、どう?」 「秀斗、それさっきも言ったよ」 「そ、そうだっけ」  二人の間の空気が、妙だ。  以前は、こんな感じじゃなかった。  もっと他愛ない話を、自然にしてたはずだ。  振るわない秀斗を察してか、今度は准から話しかけて来た。 「僕が休んでる間、何か変わったことあった?」 「えっと。英語の相田先生が、産休に入ったよ」 「そう……」 「え、あ! ご、ごめん!」  流産したばかりの准に、なんてデリカシーのない言葉を!  うろたえる秀斗に、准は笑顔だ。 「大丈夫だよ。それより秀斗、お願いがあるんだけど」 「何なに?」 「これからもずっと、仲よくしてくれる?」

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