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第九章・8

「秀斗の部屋、久しぶり♪」  ぽんぽんとベッドで跳ねながら、准はご機嫌だった。 「あんまり動くと、体に悪いよ」 「ホントにもう、大丈夫なんだって」  こくり、と秀斗の喉が動いた。 「だったら」 「ん?」 「准のこと、抱いてもいい?」  え、と准は小さく言った。  秀斗のことは、大好き。  それは今でも、変わらない、はず。  じゃあ、いいじゃん。  秀斗と寝ても、問題ないじゃん。  でも……。 「ん。それはちょっと、キツイかな」 「そう。じゃあ、キスだけ」 「いいよ」  キスなら。  キスだけなら。  二人はベッドの上で、そっと唇を合わせた。

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