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第十章・6
「これ以上は、ダメだ」
「兄さん、お願い。抱いて」
Ωのフェロモンは抑えてあるはずなのに、丞の胸はばくばくと激しく打っていた。
「僕ね、母さんにお薬もらって飲んでるから、赤ちゃんできないんだ」
「ピルか?」
「うん。大人になってお仕事に就くまでは、赤ちゃんつくっちゃいけません、って叱られた」
兄さん、と准はシャツをさらりと脱いだ。
「3年も会えなくなるなんて。せめて、思い出をちょうだい」
「解った」
丞は再び准にキスをした。
唇を耳に、首筋に、鎖骨に這わせて紅い痕を付けていった。
「あ、んぁ。あぁ、兄さん……」
准の甘い声を聞いていると、たまらなくなってくる。
あれだけ弟と愛し合ったことを悔いた身でありながら、この昂りは抑えられない。
胸の乳輪を唾液で汚し、中心の乳首を緩く吸った。
「あ、あぁ。はぁ、あんッ!」
もっと強くして、という准の願いを聞き、丞はその小さな紅い飾りを執拗に吸った。
歯で甘噛みし、舌腹でねっとりと舐る。
「あぁ、あ! んあぁ!」
准はそれだけで、勃ちあがったものから白い体液を吐いてしまった。
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