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第十一章・2

 イメチェンして格段に可愛くなった准に想いを寄せる人間は、多い。  そんな奴らから、准を守る。  卒業までしかできないけど、それまでは精一杯お兄さんのために准を守ろう。 「つまんないの。いや俺と結婚しよう、って言うかと思ったのに」 「准と結婚しても、いいの?」 「う~ん。迷うなぁ」  解ってる。  迷うなんて言いながら、准の心はすでにお兄さんのものなんだ。 「俺も受験勉強が忙しくなるから、こうして話ができるのも通学の時だけになるな」 「ヤだなぁ。寂しいよ」  夏は一緒に海に行こうと思ってたのにな、と頬を膨らませる准。  愛しい。  そして、大切な人。  だからこそ、最も信頼のおける男性に、お兄さんに彼を託すんだ。  秀斗もまた、決意を固めていた。

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