152 / 172
第十一章・2
イメチェンして格段に可愛くなった准に想いを寄せる人間は、多い。
そんな奴らから、准を守る。
卒業までしかできないけど、それまでは精一杯お兄さんのために准を守ろう。
「つまんないの。いや俺と結婚しよう、って言うかと思ったのに」
「准と結婚しても、いいの?」
「う~ん。迷うなぁ」
解ってる。
迷うなんて言いながら、准の心はすでにお兄さんのものなんだ。
「俺も受験勉強が忙しくなるから、こうして話ができるのも通学の時だけになるな」
「ヤだなぁ。寂しいよ」
夏は一緒に海に行こうと思ってたのにな、と頬を膨らませる准。
愛しい。
そして、大切な人。
だからこそ、最も信頼のおける男性に、お兄さんに彼を託すんだ。
秀斗もまた、決意を固めていた。
ともだちにシェアしよう!