153 / 172

第十一章・3

 3年目の前に、准の卒業がある。  父も母も、卒業式に出席してくれた。 (兄さんにも、来てほしかったな)  今頃、お仕事で忙しいんだろうな。  しかし、昨晩電話があった。   『卒業、おめでとう』 『愛してるよ』  そして。 『秀斗に、ありがとうと伝えてくれ』  兄さん、どうして秀斗に『ありがとう』って?  式が終わり、最後のHRが終わり、クラスメイトと別れた後に、准は秀斗と会っていた。 「何? 渡したいもの、って」 「これ。ホワイトデーのプレゼント」  わあ、と准は思いもしなかった贈物に喜んだ。 「ありがとう!」 「3月14日には、もう会えないだろ? だから、今渡すよ」 「あ……」  そうだ。  秀斗はすでに、京都の大学へ進学が決まっている。  今から、その準備で忙しいのだ。

ともだちにシェアしよう!