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第十一章・4
「准、これまで楽しい思い出をありがとう」
「え?」
「お兄さんが迎えに来るまで、あと2年だね。頑張って」
「……」
「泣かないで。最後に、准の笑顔が見たいんだ」
薄々感じては、いた。
秀斗とは、卒業を境に別れてしまうことを。
でも、実際にその場面に立つとなると、涙が止まらない。
次から次へと溢れてくる。
「秀斗……」
名前を呼ぶのが、やっとだった。
そんな准を秀斗は抱き寄せ、静かに髪を撫でた。
「准が撮ってくれた写真、宝物だよ。一生大事に、とっておくよ」
秀斗の視界も、ぼやけて来た。
涙で、滲んできた。
「さよなら、准」
俺の、初恋の人。
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