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第十二章 生涯のパートナー
「梅宮 丞。あなたは生涯、梅宮 准を愛すると誓いますか?」
「誓います」
「梅宮 准。あなたは生涯、梅宮 丞を愛すると誓いますか?」
「誓います!」
ここは、梅宮家の仏間。
先祖代々の見守る前で、丞と准は、家族4人だけの結婚式を挙げていた。
どこか怪しい、簡略的な父の問いかけに二人は誓いを立てていた。
「では、指輪の交換を」
二人で選んだ、エンゲージリング。
それを互いの指に、そっと通して……。
「誓いのキスは、今せんでもいい!」
全く、親の前でなんだ、とぶつくさ言う父の顔は、少し赤い。
「まあ、いいじゃない。一生に一度しか見られないのよ。拝んでおきましょうよ」
母の言葉に、丞と准は短くキスをした。
「お、お前たち……ッ」
「うふふ。素敵よ、二人とも」
畳敷きの和室に、純白のタキシードの丞と准。
両親は、礼服を身につけている。
これから、スタジオへ家族写真を撮りに行くのだ。
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