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考える間もなく体が動いた。疼いた体が目の前の雄を欲して、本能のままに俺は皇牙の体へ飛び付いた。すぐに皇牙の手で腰を引き寄せられ、反らせた喉に唇が落とされる。喉から顎へ皇牙の舌が這い上り、到達した唇を上から強く塞がれる――
「んっ、ん……あぁ……」
舌を絡ませながら皇牙が俺の右脚を持ち上げた。ラックに背中を預け腰を支えられながら、俺はめいっぱい皇牙の体に自身のそこを押し付ける。熱くて、ゾクゾクして、触りたいのと同時に触って欲しくて、とにかくもう……欲しくて堪らない。
「はぁっ、あ、あ……!」
俺の舌を解放した皇牙の唇が、そのままキスを繰り返しながら胸元へと下りて行く。興奮の熱で硬くなった乳首を口に含まれ、たっぷりと中で舐られ、啄まれて吸い上げられた。刺激に腰が震え、立っているのもやっとの状態だ。
気持ち良い……パフォーマンスとはまた違う強烈な快感。
溢れる涙を拭うこともせず、俺は皇牙の頭を抱きしめた。
「あぁっ……あ、ぁ……皇牙、……!」
「焦るなって、……」
「――ふあぁっ!」
皇牙の手が俺のパンツの中へとねじ込まれた。芯を持った俺のそれが外へ引っ張り出され、先端から根元までをしっかりと握られ擦られる。自分でも先端から体液が溢れてくるのが分かった。皇牙の手を濡らし、卑猥な音を立てて何度も、何度も前後に扱かれる。
手でされるのって、こんなに気持ち良かったっけ。
「き、もち、いいっ……! あっ、あ……」
「亜蓮……」
皇牙の大きな手のひらと熱に、今にも溶かされてしまいそうだ。
「早いとこイッちまえ、我慢するな」
体のナカを震わせる、皇牙の低い声――
「ん、……うん……あ、あっ……もう、すぐ……」
その声に誘導されるまま突き抜けるような快感がせり上がってきて、俺は皇牙の手の中で思い切り果てた。
「は、……あぁ……」
甘い余韻に視界が霞む。俺はラックに体重を預けて荒い呼吸を繰り返しながら、目の前で手を拭いている皇牙を見つめていた。
「綺麗だぜ、亜蓮」
低い声が遠のいて行く。
「その鎖を握ってやりてえ」
「………」
俺は唇の隙間から漏れる吐息に呟きを乗せ、それを最後に目を閉じた。
――まだ握らせない。この鎖は、誰にも。
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