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「……ごめんな、亜蓮」 「え、……何が……?」  俺の頬を舐め上げてから、皇牙が耳元で低く囁いた。 「丁寧にしゃぶってやりてえけど、それより早くお前の中に挿れてえ」 「……ば、馬鹿」  恥ずかしくて耳朶から鼓膜の奥までが真っ赤になってしまいそうだ。皇牙の肩にしがみつき、小さく頷くのがやっとだった。 「『次』はちゃんと全身リップしてやるからな」 「……も、いいから……早く挿れろよ」 「がっつくなって」  互いのそこから充分過ぎるほど溢れた体液を絡め取り、その指を皇牙が俺の窪みに突き立てた。 「ん、あ……」 「狭いな」 「ずっと、してなかったから、……」  更に深く指が入ってくる。やっぱり久し振りだからか、その慣れない異物感に俺は目を閉じ歯を食いしばった。 「……あ、指じゃ、なくて……皇牙の、挿れてくれ」 「いいけど、もっと慣らした方が辛くねえぞ」 「お願い……」  皇牙が視線を伏せ、握った自身の屹立を俺のそこへ押し当てた。大きく広げた両脚に皇牙の腰が入ってきて、少しずつ中を開かれる。 「いっ、――!」  瞬間、信じられないほどの痛みがそこに走った。 「亜蓮……?」 「へ、……平気、だ……もっと入っても、平気……」 「お前まさか、……」 「大丈夫、だからっ……!」  まだ先端の半分も入っていない。なのに涙が溢れて止まらず、力の抜き方は分かっているのにどうしても内股が強張ってしまう。結合部がぬるついているのは、恐らくカウパーのせいだけじゃない。  皇牙が茫然と俺の顔を覗き込み、言った。 「お前、……処女だったのか」 「ち、違う、……のにっ……。何でっ……」 「落ち着け、大丈夫だから」  皇牙が俺の上から体をどけて、開いた脚の間に顔を入れる。 「……クソ。悪い、傷付けた」 「い、いいから……続き」 「馬鹿言え」  信じられなかった。数え切れないほどセックスしてきた俺が。熟睡した時間よりもセックスしていた時間の方が多いのではと思うほど、何人もの男と関係を持ってきたこの俺が。 「悪かった、亜蓮」 「ち、違……、違うんだ、俺は処女じゃない。久し振りではあるけど、それは俺基準で……実際には一週間振りくらいだし」  皇牙が俺のそこに顔を埋め、伸ばした舌で優しく舐め上げる。 「あっ、……」 「元の世界のお前がどんだけビッチだったとしても、ここでのお前は正真正銘の処女だ」 「そ、んな……あぁっ……舐め、るなっ……」  声が止まらない。そんな所を舐められるなんて……経験した記憶はあるはずなのに、堪らない刺激に体が跳ねてしまう。 「やっ、あぁ……! 皇牙、ぁ……!」  元の世界の俺と、この世界での俺と、もしも本当に何かが変わっているのだとしたら。  今日までいい男を見ても声をかけなかったのも、それどころか触れられるのすら嫌だったのも。急に自分の子供時代を振り返るようになったのも、  金と男のためでしかなかったストリップを通して、孤児院なんてどう考えても俺らしくない夢を抱くようになったのも――

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