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「………」  厚いカーテンを捲ると、その先に皇牙がいた。 「お、亜蓮……」  ライが言っていた通り、隣にはブロンドの美女。二人は重厚なソファに並んで座っていた。テーブルの上にはシャンパングラスと何かの書類。仕事の話をしていたというのもどうやら本当らしい。 「あら、噂のチェーン・ストリッパーね」  俺は無言のまま皇牙の方へと歩み寄り、ソファに膝を乗せて皇牙の上へと跨った。 「どうした、亜蓮?」  仕事の話をしているのだと分かっている。皇牙は男が好きな男なのだ。  なのにどうして、女と並んで座っている姿を見ただけでこんなにも胸が痛むのか。女に――いや、女じゃなくても誰かに嫉妬するなんて、全然俺らしくないのに。 「……亜蓮?」  俺を見上げる皇牙の目は微塵も動揺していない。それどころか機嫌が良さそうでもある。俺は何となく寂しくなって目を閉じ、皇牙の唇を上から塞いだ。 「ん、……」 「あらら」 「亜蓮、ちょっと待て。今は――」 「……は、ぁ」  強引に舌を絡めて腰を揺らし、皇牙のそこへ自身の股間を何度も擦り付ける。どうしてこんなことをしているか自分でも分からなかった。今はただ色々なことを考えたくなくて、今だけ何もかも忘れてしまいたくて、……皇牙を独り占めしたい気分だった。 「……ぷはっ、亜蓮。ったくお前は……」 「ふふ。単純な好奇心から最後まで見ていたいけど、お話も終わったし私はそろそろお邪魔した方が良さそうね」 「い……いや、済まないジェシカ。普段はこんなことする奴じゃないんだが……」 「いいのよ、皇牙。有意義なお話もできたし、私も今後は張り切ってやらせてもらうわ。お見送りは結構、素敵な時間を楽しんで」  意味ありげに笑って小さく手を振り、投げキスをしてプライベートルームを出て行く日本語が堪能なブロンド美女。俺はそれを横目で見ながら、なおも皇牙にしがみついた。 「どうした亜蓮、急に俺が寂しくなったか?」 「邪魔してごめん……」 「邪魔する気で来たくせに何言ってんだ。お前が一階に降りてきた瞬間から、欲求不満の色気ムンムンな匂いがした」 「俺を欲求不満にさせてるのは、誰だよ?」  皇牙がレザーパンツの上から俺の尻を掴み、「俺だって我慢してる」と苦笑した。

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