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第7話 松村side
目の前で触手に好き勝手される裕太と弘弥を見て松村はほくそ笑む。
「あっ、あ、あ、あぁぁっ」
「ん、んん、ぅん、んぁっ」
2人の啼き声が耳に心地いい。
みだらに色付く未熟な体が目の保養だ。
快楽に溺れるその姿はなんと美しいものだろうか。
日中は準備室の戸棚に仕舞っている触手たちの主な栄養分 は人間の体液。
特に若い奴ならなおさら喜ぶ。
その相手を見繕うために”七不思議”という形で校内に噂を流し、獲物が掛かることをじっくりと待っていた。
まあ、そう簡単に都合の良い人間は見つからない。だからたいていは俺がこいつらの相手をしているんだけど、今夜は例外。二人の獲物がやって来た。
早川裕太と谷口弘弥。
どちらも同じバスケ部で、小学校も一緒だったらしい。
そして、弘弥は裕太の事が好き、だそうだ。
七不思議の噂の真相を突き詰めて、ここに祐太連れてくる計画を持ち出して来たのも弘弥自身だ。
好きな子をそんな酷い目に遭わせていいのかと聞いたら、
「先生も見たいでしょ?」
と彼は笑ってた。俺もつられて笑ってしまった。
そんな嵌められた祐太も、結局は自身も触手の餌食になっている弘弥も、どちらも愚かで未熟で愛らしい。
結局は俺も、他人 の事は言えないだろう。
こいつらが仲違いしようがどうなろうが、羞恥と戸惑いと、最後にはどうしようもなく快楽に溺れる姿が見れたらそれでいいのだから。
そうして目の前の行為をじっとりと見ていたら、触手の一本が松村の腰にするりと絡み付いてきた。
触手にもちゃんと個性がある。
甘えたがりとか、ツンデレとか、ねちっこい奴だとか。
なぜ意思があるのか、こいつらが実際どういう生態なのか、俺もまだまだ研究中だ。
食事に人間の体液を必要とする理由も。
松村は、眼前に来たそいつの先端に手を伸ばす。
「何?俺も参加しろって?」
彼の問いかけに、更に別の触手が腕に絡みついてきた。
「はは、分かったから」
嬉しそうに、腕の触手がぎゅっと引っ付いてくる。
「…でも」
その前に。
目の前で触手に愛されている二人をじっと見る。
彼らの態度は、初めより随分大人しくなっていた。
それだけでなく、どこか触手に寄りかかるような。体を擦り付ける様な。
...甘えた態度を取る様な。
この空間に、理性は要らない。
そんなつまらないものは脱ぎ捨てて、早く楽になれ。
「アイツにもちゃんと楽しんでもらわないとな」
獲物が完全にこの手に堕ちるまであと少し。
二ヤリと笑みをこぼした松村は、腕に絡まる触手に手を這わせながら、彼らの元へと歩み出した。
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