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第73話

「痛、い……裂ける、ああ……」 「バックヴァージンってのをいただいたときに俺の形を念入りに刻みつけておいたのに、こなれぐあいが微妙に違う。他の男子生徒をたらし込んでヤッたんじゃないだろうな」 「侮辱だ! おれは、もともとアナルセックスなんかにはまったく興味のないノーマルな男で、そこに指を入れられることじたい虫唾が走る」 「って、言うわりには美味そうに指をがっついてるのは誰だろうな? 毎晩、ひとりエッチに耽ってここに変な癖をつけたんだろう」  (さね)をひと突きされた。 「ふ、ん、んん……んんん」  細腰が打ち振られるたびに、とろろの破片がぽろぽろと剝がれ落ちる。仁科は唇を舐めて湿らせると、努めて平板な口調で答えた。 「やってない……自分でなんて……そんな、さもしいことは一度も……」 「へぇえ、シラを切るんだ。検証すれば白黒はっきりするけどね」  指が入口のきわまで退いた。うぞうぞと内壁が蠢いて指に取りすがれば、 「ほら、な。夜な夜な自主トレに励んでましたって、ここが白状してる」 「っ、ぅうう、ぎぃっ!」  人差し指と薬指が、先を競って門をくぐる。三本の指がひと塊になったかと思えば、それぞれの持ち場に散って内壁をすり立てる。 「信じてくれ。誓って、やっていない……」 「白々しい。楽勝で指を三本も銜え込むのが、れっきとした証拠だ」  Wの字型に指が広がった。極限まで肉の環が押し広げられたところで、ローラーで(なら)すようにくだんの突起を揉みしだかれたせつな、白目をむいてのけ反った。 「ぅ、う、んぁ、あ……痛い……ぁ、ん、ああ……ぃ、いい……」  唇がゆるんで、よだれが垂れる。ペニスが爆ぜる気配を見せれば、すかさず根元を握り込まれ、タコ糸とともに奔流を堰き止める。  仁科は狂おしく全身を揺すりたてた。これは、もはや拷問だ。快感と苦痛が渾然一体となるまで、戸神は徹底的に教え込む器なのか  ただでさえギャザーが伸びきって、蜉蝣(かげろう)(はね)並に薄っぺらくなったところに小指までもが仲間に加わりたがる。  恍惚とした表情が、苦悶のそれに一変する。ぎちぎちに詰め込まれて、腹が、はち切れそうだ。  指を引きちぎる勢いで腰を落としても、元の姿勢をとらされる。しかも、抵抗した罰というおまけがつく。

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