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第75話

「ぅ、あ、んん、あ……はぁ……」 「俺に断りなくここを開発しといて、ひとりエッチは『一回もやっていません』? 嘘つきは何を千本呑まされるんだっけ」 「は、針だ……ん……はぁ、ん、ぁ……いい……、いいっ!」 「そう、針だ。残念ながらソーイングセットなんか持ってないけど……」  わざとらしく語尾を濁すはしから、名案が浮かんだ、というふうに目をきらめかせる。  そして、先生から調達、と称して栗色の髪の毛を数本まとめて抜く。返す手でペニスを摑み取ると、 「針千本呑ぉます」  陽気に口ずさみながら鈴口に髪の毛をこじ入れた。 「……ぅ、ああ、うう……っ!」  細腰が右に左に躍る。くいくいと(くだ)を掃きたてられると、毛細管現象の働きで蜜がとめどなくにじむ。  尿道に異物を挿入されるのはもちろん生まれて初めての経験で、名状しがたい気色悪さにびっしりと鳥肌が立つ。  膝がくだける。仁科はずるずると崩れ落ちていき、 「おネンネするのはまだ早いよ?」  鈴口を一輪挿しになぞらえたように髪の毛の生けぐあいに微調整がほどこされると、立たざるをえない。  なぜなら戸神は正確を期するべきだと主張して、髪の毛を千本つめ込むくらいのことはやりかねない。  どれだけ叫んでも旧校舎の外に洩れることがないように、いっそのこと猿ぐつわをかましておいてほしい。破れかぶれにそう訴えようと振り向けば、学生ズボンの中心に視線が吸い寄せられた。  前立ての美味しそうな膨らみ。生唾が湧く。極太のあれなら、猿ぐつわにもってこいだ……。 「ぁ、うううう……っ!」  三本の指が、領土争いを繰り広げるようにいっせいに動きだせば、秘花がいっそう華やぐ。普段の花が慎ましやかに(つぼ)んでいるだけに、めざましい変容ぶりだ。 「正直に話せば赦しが得られる告解ってシステムは、合理的だと思わない? で、後ろ重視のひとりエッチは何回したの」  猫なで声で訊かれた。つられて、一回……と口走った。 「何が一回なんだ。はっきり、言え」 「一回……一回だけだ。酔っぱらった勢いで自分で……一回だけ……」  忍び笑いが耳朶をくすぐる。ぎくりとして口をつぐんだせつな、 「痛い……戸神、痛い……裂ける……っ!」    内壁が裏返しになりかねないほど派手にかき混ぜられた。たちまち蜜が泡立って髪の毛を押し流す。 「カマかけられてひっかかるのって、ダサくね?」

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