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第2話

「……っ!!」  途端、声にならない喘ぎをあげた圭太が前へ歩み出し、まるで犬の散歩のような和斗にとって愉しいといえる時間が静かに始まりを告げた。 「圭太、嬉しい?」  引き摺るように鎖を引き、苦しそうにもがきながらも必死に付いて来る圭太へと……にこやかな笑みを浮かべ告げると、整った顔を歪めながら、それでも彼は小さく頷く。 「俺も圭太と散歩が出来て、嬉しいよ」 「………」  答える声は無いけれど、気持ちが通じあっているから全く気にはならなかった。  綺麗に整備されている庭は人払いをしてあって、警備については信用出来る人材ばかりを配置しているが、きっと恥ずかしがるだろうから圭太にはそれを伝えていない。  成人を過ぎた青年が、這って歩けるギリギリの時間は三十分だと聞いたから……恋人としてはそんなに無理をさせてはいけないと思っているが、十五分程歩いたところで辛そうに蹲ったから……和斗は足をピタリと止めると、(かたわ)らにしゃがみ圭太の顎を掴んで顔を上げさせた。 「ああ、そろそろ限界かな?」  答える声は勿論ないが、虚ろになった大きな目からは涙がポタポタ流れている。 「可愛い」  涙を舌で掬い取り、唇へキスを落としてやると、腰を拙く揺らす圭太の貞操帯へと指を伸ばし――。 「いいかい、俺がいいって言うまで、絶対出しちゃダメだよ」  耳元で低くそう告げながら、和斗はカチリとそれを外した。 「……っ!」  刹那、圭太のペニスがプルリと飛びだし、我慢出来なかったのだろう……先端から白濁を勢い良く撒き散らす。 「ヴぁっ……ぃっ!」  同時に喘いだ圭太の身体がまるで電気を流したようにビクリビクリと痙攣し……衝撃に耐え切れなかったのか、そのまま芝へと倒れ込んだ。 「ああ、可哀想に。痛かっただろう?」  刺激に芯を持った乳首を摘まんでギュッと引っ張ると、飛ばしかけていた意識が戻って虚ろな瞳に正気が宿る。見ればすっかり萎えたペニスからチョロチョロと尿が漏れていた。 「圭太はいつになっても、粗相ばかりだな」 「っ!」  呆れたようにそう言いながら、ペニスをギュッと握り込む。精液と尿でベタつくけれど、後で綺麗にさせればいい。 「ここにも躾が必要みたいだ」 「っ!」  尿道口に爪を立て、埋め込むように親指で抉ると、声にならない悲鳴を上げて無意識だろう……守るかのように身体を更に小さく丸めた。 「圭太?」  苛立ちを含む静かな声で、名前をゆっくり呼んでやる。 「隠してはいけないって、俺が何度も教えたよな」  射精の余韻でヒクリヒクリと震える背中を優しく撫で、耳の近くへ唇を寄せて低い声音で囁くと……ようやく言葉を理解したのか、圭太がおずおず身体を動かし芝生の上へ仰向けになった。

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