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第3話

 所謂(いわゆる)、服従の体勢だ。 「いい子だ」  言われなくても自らきちんと足を大きく開いているが、羞恥の余りその内腿はピクピク細かく痙攣し……静かに涙を流す姿が何とも言えず愛らしい。 「でも、我慢出来なかったここは、いい子とは言えないな」 「……っ!」  立ち上がり、靴の爪先で萎えたペニスを踏み込むと、痛みに首を振りだくり、掴む場所の無い掌が芝に爪を立て引っ掻いた。 「……ぅ、いぃっ!」  たまらず呻いたその途端……また電気が流れたみたいに身体が奇妙に跳ね上がる。 「ああ、痛かったみたいだな」  ハアハアと喘ぐ圭太の股間を擦るように足を動かすと、たまらないと言ったように、腰を上下にくねらせた。  正確には……電気が流れた‘みたい’では無い。  実際に、声を出すたび、身体を電気が流れるようにしてあるのだ。  犬の無駄吠えを止めさせるため、吠えると電気が流れるように作られている首輪があるが、圭太の首に装着したのは人間用に改良を少し加えてある物だった。 「さあ、続けようか」  再び勃起しかけたペニスを放置し和斗がリードを引くと、切なげな顔で見上げてくるが、止めてあげるつもりはない。 「っぅ!」  アナルに挿さったままのバイブをもう一度……一番奥まで押し込むと、和斗はポケットから取り出した小さなボールを圭太に見せた。 「今日は新しい遊びをしよう。これを投げてあげるから、口で(くわ)えて取っておいで」 『これも落としちゃダメだよ』と、付け加え、バイブをグリグリ回してやり、更に強へと設定を変える。 「っっ!」  刹那、圭太の身体が弓なりに反り、細い身体にあばらが浮いた。 「いいかい? 上手に出来たらご褒美あげるから……な」  逆らう事を諦めたように、小さく頷きノロノロと四つに這う圭太が愛しくて……漆黒の艶のある髪の毛を、和斗はクシャクシャ撫で回す。 「……っ」  当たり前だが答える声を今の圭太は持っておらず、成すがままになっていたが、ほんの一瞬その瞳に淡い光が宿ったのを、和斗は見逃さなかった。

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