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第6話

 *** 「逃げなくてよかったのかい?」  動けなくなってしまった圭太の場所までゆっくり移動して、和斗は優しく問い掛ける。 「あ……あぅぅっ!!」  きっと気づかなかったのだろう……声にビクリと反応し、顔を上げた圭太は驚き思わず出してしまった声で、大きく身体を震わせた。 「ボール、落としちゃったな」  涎で濡れたボールを手に取りそれをポケットの中へと仕舞い、涙を流す目許を拭って唇の前に持って行く。 「……綺麗にしてくれる?」  相当混乱したのだろう……それでも条件反射のように、舌を差し出しペロペロと指を舐める姿を瞳に映し、和斗は内心これまでに無い愉悦にも似た感情を抱いた。 「そういえば、食事がまだだったね。戻ろうか」  予定していた三十分はとっくの昔に過ぎている。  何より早く屋敷に戻って、痛々しいほど震える彼の華奢な身体を抱きたいと……思って和斗がそう伝えると、ゆるゆると首を振った圭太が掌に顔を擦りよせて来た。 「どうした?」  圭太が自ら甘えたような行動を取るのは珍しい。首を傾げて優しく問うと、四つに這ったまま身体を動かしこちら側へと尻を向け、それを高く掲げるように身を低くして突き出した。 「こんな所でおねだりかい?」  肩で身体を支えながら、両手で尻を左右に広げる姿はとても扇情的で、胎内で揺れる太いバイブがまるで尻尾のように見える。 「興奮しちゃったのかな?」  股の間から手を差し込んで、ペニスをそっと握り込むと、そこは固く張り詰めていて、すぐに爆ぜそうになっていた。 「……んぅっ!」 「これじゃあ辛いな。いいよ、じゃあ……俺をその気にさせて。でもその前に……出来るかな?」  いつもは酷く嫌がる行為を暗に彼へとほのめかす。  すると圭太は再度四つに這い、和斗の方へと身体を向け、口を使って器用にズボンの留め金を外しファスナーを下げ、まだ反応してないペニスを外へと出して口に含んだ。 「珍しいね。喉、渇いてたのかな?」  頬を撫でながら声をかけると、また涙が溢れだす。  きっと自分で自分の心が分からなくなってしまったのだろう。 ――でも、俺にはもう分かってる。 「出すよ。圭太」  頷く暇を与えること無く溜めていた尿を口内へ注ぐ。  零したり、吐きだしたりしていつも罰を受けているが、今回は……懸命に喉を上下させ、残さずそれを嚥下したから、和斗は内心驚いた。 「……っ」  そのまま口を外すこと無く口淫を開始する。  まだきちんと教えてないからそれはかなり拙いものだが、それでも和斗のペニスはすぐに挿入できる硬度を持った。

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