「もういいよ」 　動きを制してペニスを抜くと、艶を帯びた圭太の顔に衝動が抑えられなくて……和斗は彼の身体を押し倒し、バイブを一気に引き抜いてから、正常位の体勢のまま身体を深く繋いでいく。 「やっ、あ、ひっ！！」 　最初に身体を開いた時から獣の形で犯してきたから、戸惑っているのだろう……思わず上げた嬌声のせいで痙攣を繰り返し、中に入った和斗のペニスを更に強い締め付けが襲い、その気持ち悦さにすぐに高みへと登り詰めそうになるけれど……奥歯を噛みしめ何とか堪えた。 「圭太。気持ち悦い？」 　挿入したその途端、射精しそうになったペニスは寸での所で根元を強く握り込んで塞ぎ止めてある。 　必死に酸素を取り込もうと開閉している唇に……咬みつくようなキスを仕掛ければ、消極的な反応ながら、おずおずと舌を差し出してきた。 「……んっ、ふぅ」 　呻く度、まるで何かに操られるように身体がヒクヒク痙攣する。 　きっと今、圭太の心はいつも以上に、正気の状態では無い筈だ。 ――圭太は俺を『好き』だと言った。何があっても味方だと。 　同性愛者であることが、和斗の枷になるのを恐れ、圭太は嘘を吐いている。 ――だから、逃げられないよう縛らなければならない。 　完全に、素直になれるその日まで。 「圭太……好きだよ」 　自分無しでは生きられないよう、創り変えてしまいたいくらい。 「圭太も俺が、好きだろう？」 　唇を離し問い掛けながら、胸の尖りを捏ねながら引くと、声を出せない圭太は何度も首を縦に振り答えてくれた。 　今までも、今現在も、圭太の意思を無視してる意識は和斗の中に微塵も無い。むしろこれは……彼自身が、心の奥で望んだことだと思い込んでしまっていた。 「ひっ、あぅっ！！」 　突く度に、止まらなくなった嬌声が聞こえ、アナルの中が和斗の事を離さないとでもいうように……ギュッと強く締め付けて来る。 「っ、やっ……うぅ！」 　電流が彼を突き抜ける度、爪先がピンと上を向き、まるで宙を蹴るかのようにピクリピクリと揺れ動いた。 「ほら、出すよ」 「うっ……あっ、ひぅぅっ！！」 「くっ……」 　何度も何度も中を穿ち、ようやく射精を迎えた和斗が彼の身体からペニスを抜くと、限界を超えてしまっていたのか白目を剥いてしまっていて。 「そんなに気持ち良かった？」 　射精もできなかったのか……萎えかけた彼のペニスからはタラタラと精液が流れ、内腿に筋を作っている。 「まあ、仕方ない……か」 　恋人同士なのだから、先に意識を飛ばすくらいは許さなくてはならないだろう。