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【閉じ込められたあたりのお話】 「やっ、やめっ! なんっ、どうしてこんなっ……」  気付けば広いベッドの上に四肢を括りつけられていた。  しかも洋服は全て剥ぎ取られ、覆い被さってきた親友に、あろう事か……平らな胸をペロペロと舐められている。 「なんで……って、簡単な話だよ。素直になれない圭太の為だ」  胸から顔を上げた彼は、整った顔に笑みを浮かべ、まるで圭太が悪いとばかりの言葉を告げて来るけれど……。 「ちがうっ、お前、おかしいよっ。俺達、友達だろ!」  意識を失うところまでは、確かに親友同士だった。  大学を卒業し、就職すると中々会えなくなるから飲もうと圭太が誘い、一人暮らしのアパートで二人、楽しく酒を酌み交わしていた。 「大丈夫、圭太の気持ちは分かってるから……ちょっと怖いかもしれないけど、そのうち気持ち良くなるから、安心して俺に任せて」 「お前、何言ってんだよっ! これ解けよ! 今なら冗談で済ませてやるからっ」 「冗談? 圭太こそ何を言ってるんだ。冗談でこんなこと、するわけが無いだろう?」 「じゃあ何でっ……んっ……ふぅっ……」  動転してなにがなんだか状況も上手く飲み込めないまま、今度は口を口で塞がれて圭太は瞳を見開いた。 「うっ……んぅっ……」  避けようと首を左右に振るが、顎をしっかり固定されていて動かすことが叶わない。  唇を割って入ろうとする彼の舌を拒絶するように、歯を食いしばって抵抗すると、歯列をザラリとなぞったそれは直ぐに中から出ていった。 「可愛いな。照れているのか?」 「違うっ! 本当に嫌なんだ。こんなこと、もう止めろよ……じゃないと俺、お前のこと許せなくなる」  混乱のあまり涙がポロポロ眦からこぼれ落ち、圭太は親友だと思っていた男の顔をじっと見る。男らしく整った顔は薄く笑みを湛えているが、いつもとは違う種類の物だと肌で感じる事が出来た。 「泣くほど怖い? まあ仕方ないか。圭太は臆病だからな……だからこうして逃げ場を無くしてやらないと、俺に気を遣って離れようとする。そうだろう?」 「やめろっ……っっ!!」  下肢にゆっくりと手を這わされ、気持ち悪さに鳥肌が立つ。長い付き合いになる親友が、ここまで話の通じない人間だとは知らなかったし、今まで一度もそんな風に感じたことなど圭太はなかった。

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