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――怖い、怖い……。  親友だった男が今は世界中で一番怖い。  自分の言葉が伝わらないし、何を言っても曲解される。 ――ど…したら。 「無駄だよ圭太。これから圭太は俺と暮らすんだ。ずっと……な」 「ゔぁ……あぅぅっ!」  考えを見透かしたかのように、クリップを指で弾かれた。 ――狂ってる。本当に、狂って……。 「圭太が素直になれるように、これからきちんと教えてあげる。何の心配もいらないよ」  足の拘束が外されて……蹴ろうと必死に動かすけれど、鼻で笑った和斗は圭太の足首を余裕あり気に掴み、もう片方の掌を伸ばすとペニスを掴んで扱きだした。 「さっきからココ、勃ってる」 「んっ……んぐうっ!!」  そんなことはあり得ない。  そう言ってやりたいけれど、本人の意思は関係なく……乳首を襲う激痛から逃れようとした体のほうが勝手に快楽を貪りはじめる。 「やっぱり体の方が素直だな。大丈夫、時間はいくらでもあるから……圭太もそのうち素直になれる」 ――そんなのっ、望んで……ないっ。 「あうぅっ!」  声が言葉にならないことが、こんなにもどかしいなんて。 「圭太、膝立ちになって。じゃないと膝から下、切り落とすよ」  頭上に一纏めにされた腕の拘束はそのままで、うつ伏せに体を返すと、柔らかい声音のままで彼はそう告げてきた。 「圭太が圭太でありさえすれば、脚くらい無くてもなにも問題ない」 「……うぅっ」  今の彼ならやりかねないと本能で感じとる。  なぜこんな事になってしまったか考えてみても分からないけど、今はとりあえず和斗の言葉に従う道を圭太は選んだ。  そうしなければ、何をされるか本当に分からない。 「いい子だ」  力の入らぬ脚へ懸命に力を込めて膝立ちになると、まるで労るような手つきで臀部を優しく撫でられた。 「ここ、誰かに触らせた事ある?」 「んぅっ」  剥き出しになった肛門を、指でツンとつつかれる。

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