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――あるわけ……無いだろっ。
羞恥に体を震わせながら圭太は首を左右に振った。
そんな場所、病気にでもならない限り、きっと一生誰にも見せずに終わる部分の一つだろう。
「ならいい。もし、初めてが俺じゃなかったら……嫉妬で狂ってしまうところだ」
「うっ……んっ」
『狂ってるのは、今のお前だ』
と、声に出して言いたかった。
――目を覚ましてくれ……今ならまだ間に合うから。
そんな願いを込めて振り向くと、笑みをたたえた綺麗な顔が、自分の尻に口付ける姿が瞳に映り込んでくる。
「可愛いよ……圭太。早く一つになりたい」
「ん……ぐぅっ」
割り開くように尻を捕まれ、濡れた感触が肛門を襲い、その冷たさに身震いすると背後でクスリと和斗が笑った。
「大丈夫、ただのオイルだから」
「んっ……ううっ、んうっ!」
言葉と同時にズブリと指が差し込まれ……初めて襲う違和感と恐怖に圭太は大きく体を震わせ、シーツに顔をすりつける。
「初めてだから、ゆっくり、時間をかけて拓いてあげる」
愉しそうな和斗の声に、抗 う術 は圭太にない。
「ゔっ、うっ……っん」
「ここ、流石にキツいな。俺の指を離したくないって締め付けてるの、分かる?」
排泄器官であるそこに、異物が入れば排出しようと伸縮するのは当前なのに、まるで圭太が自分の意志でしているみたいに言ってくるから、狂気しかもう感じなくなった。
「この辺かな?」
「んっ……あ、あうぅっ!!」
浅い所で指を曲げられ、ある一点を押された途端、圭太の体は電流が通ったみたいに痙攣した。
「圭太の好きな所はここ?」
「あぅっ……あ、ああ!!」
開口具から涎が垂れて、シーツに染みを作っていく。
――これ……なに?
「そんなに好きなんだ。じゃあ沢山弄ってあげる」
言うや否や、二本に増えた彼の指先がそこをグリグリと押してきた。
「んぐっ……んうっ、ああっ!」
――やめっ、やだ……怖い、怖い!!
腹の底から背筋にかけてを快感が突き抜ける。
自分の体がどうなってるのか分からなくなって涙が出るが、何度首を横に振っても和斗はそれを止めてはくれず、更に三本に増やされた指で中を執拗にかき回された。
「気持ち悦くない?」
「ううっ……あぅっ」
暫くそれが続いた後……突然和斗の指が引き抜かれ、喪失感に圭太のアナルがヒクリヒクリと伸縮する。
「嫌がってるみたいだから、止めた方がいいかと思ったんだけど……圭太はどうしたい?」
「あ……ああっ」
意地悪な質問に、圭太は新たな涙を流した。
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