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第5話 初夢 2013
元旦に康太が見た夢は…
初夢か……
康太はブルッと震えた
正夢なら怖いやんかぁ~
カラーン
カラーン
カラーン
天高く高らかに響き渡る
ウェディングベル
幸せに
誰よりも幸せに
と祝福した鐘の音が鳴り響いていた
「支度は出来ましたか奥さん」
白の燕尾服に身を包んだ榊原伊織が
妻の支度を気にして見に来た
緑川一生がドアを開けると
そこには純白のウェディングドレスに身を包んだ
飛鳥井康太がいた
榊原は息を飲んだ
康太のウェディングドレス姿に
欲情した
「………康太……」
抱きしめようとしたら……
聡一郎が榊原の前に立ちはだかった
「花嫁に近付くな!」
と冷たく言い放った
「………聡一郎……」
「婚前の花嫁に触れるのは禁止だ」
聡一郎がそう言うと一生は
「式が終われば旦那のモノだから!」
と慰めた
榊原は、嗤った
「そうでしたね
式が終われば好きにして良いんですね」
一生はそんな事は言ってないでっしゃろ……
と慌てたが……
榊原の耳には入らなかった
ウェディングベルが高らかに鳴り響いていた
真っ赤な絨毯が神父の所まで道を作る
バージンロードを
康太は父清隆にエスコートされながら歩いていた
清隆は泣いていた
「康太、何時でも帰ってらっしゃい……」
結婚後も……飛鳥井の家で暮らすのに……
父は花嫁に出す父の心境で泣いていた
ゆっくりとバージンロードを歩いてゆく
この先には王子の様な格好をした榊原が立っていた
渡したくない想いと
幸せにして貰いなさい……
と言う想いが入り混じる
清隆は康太を榊原に渡した
「幸せにして下さいね」
そう言い康太を榊原に渡した
榊原は清隆の瞳を真摯に貫き
「必ず幸せにします」
と微笑んだ
しめやかに式は行われ
誓いのキスをする
………誓いのキスにしては……
粘っこい……糸を引く様なキスに
神父は………額を押さえた
参列者は……
やっぱり……と肩を落とした
挙式が終わると教会を出る
ライスシャワーで祝福され
康太と榊原はその中を歩いた
とても晴れやかな顔をしていた
幸せは僕の為にあるんですか?
と自惚れたくなる程に
幸せだった
ブーケトスをよしようか……
康太が悩んでいると
「投げなくても良いです」
榊原は言った
「投げるだけ勿体ないです」
榊原は悪魔の様な顔をして笑っていた
その横で綺麗にメイクされた康太が笑っていた
少女の様な美しさだった
榊原は控え室に戻ると
康太を中に入れ鍵を掛けた
ガチャッと言う音に康太は振り返った
「………え……伊織……」
「綺麗ですよ奥さん」
そう言い榊原は康太に近寄った
康太は後退った
「奥さん…」
ジリジリ追い詰め……窓際まで追い詰められた
「……伊織……ゃ……」
「僕の為に着てくれたウェディングドレスですよね?」
「………そうだ。伊織の為に着たウェディングドレスだ」
「美しいですよ奥さん」
榊原は康太を腕に抱き寄せた
「ドレスの下……見せて下さい」
キスで甘く蕩けさせ……
次の瞬間には……
もんでもない事を言っていた
「……ゃ……見ないで……」
「全部見たいんです!僕は…」
ドレスの裾をたくし上げ
「持ってて下さい」
とドレスの裾を持たせた
何重にもなったドレスの中に榊原はしゃがむと顔を突っ込んだ
「ダメ……ゃ……」
康太の抵抗など聞きもせず
榊原はドレスの中を堪能する
純白のパンティを清楚にはいた康太は既に膨らみを見せていた
ガーターベルトとストッキングも純白だった
榊原はパンティの上から舐めた
康太は窓枠に縋り着いた
「このドレスを濡らしたくないなら大人しくしてて下さいね」
榊原は立ち上がるとパンティの脇から手を忍ばせた
勃ち上がるそこはそのままで
後ろの穴に触れた
「……ゃ……挿れないでぇ……」
「君の穴は僕の指じゃ足らないと言ってますよ」
グニュグニュと指を動かされ
康太は訳が解らなくなる
「初夜はちゃんと愛してあげます」
初夜も愛してあげます……と言いつつ
榊原はしゃがむと康太のアナルを舐めた
パンティを少しずらし……穴を解す
勃ち上がった性器はパンティの中だった
後ろだけずらして……
榊原は挿入するつもりだった
そしたらドレスは汚れないから……
「ちゃんとドレスを持っていないと君の精液が飛びますよ?」
榊原に情け容赦なく言われて
ドレスを持つ手に力を入れた
榊原は解れた穴に肉棒を突き挿した
「あぁっ……あん…ぁぁん……」
快感に襲われる
榊原は前だけ寛げ
康太の中へと挿し込んだ
王子様の様な燕尾服を着て
……淫靡な事など無関係だと……
言わんばかりの顔をして……
康太を犯し続けた
ヘロヘロで立ってるのも億劫な康太の後始末をして
榊原の性器も綺麗に拭くと身形を整えた
王子様の様にキラキラ光る榊原にされるのは恥ずかしかった
ポッと顔を赤らめる康太の唇に口吻を落とし
「奥さんハネムーンに行きましょうか!」
榊原に手を引っ張られ外に行くと……
そこには缶が一杯付いた定番のスポーツカーがあった
皆に祝福され……
ハネムーンへと出発
カンカラカンカン
と動き出した缶が軽快な音を立て走り出していた
康太は身震いした
そして、目を開けた
そこは飛鳥井の家で
榊原との寝室だった
寝慣れたベッドの上で、康太は辺りを見渡した
榊原は起き上がりキョロキョロする康太を抱き締めた
「どうしたんですか?奥さん」
康太を引き寄せキスを落とす
「………伊織と結婚式挙げる夢を見た……」
「………え?羨ましい!妬けます」
「何が妬けるんだよ?」
「夢の中の僕は君を独り占めしたんですよね?」
榊原は悔しそうに……言葉にした
誰よりも結婚式を挙げたがってたのは榊原だった
男同士だから……
叶わないけど……
それでも……
何時か……結婚式を挙げたかった
康太のウェディングドレス姿を独り占めしたかった
「………夢の中の僕は狡い……」
榊原はそう言い拗ねた
「………伊織……」
「夢の中の僕は君を抱いたんですか?」
「………え?」
聞かれ康太は赤面した
それで抱かれたのは一目瞭然だった
「ウェディングドレス姿の君を……
夢の中の僕は抱いたんですね!」
榊原の瞳に嫉妬の焔が燃えていた
「康太、僕の為だけに着て……」
ウェディングドレス姿の君を犯して……
僕の色に染める……
僕だけの康太……
榊原は康太にウェディングドレスを着せたかった
僕だけの為に真っ白な康太になって……
榊原の悲願だった
「………嫌だ……」
「何でですか?」
康太の耳をねっとり舐めて問い掛ける
「犯るじゃんか……」
「………え?」
康太を見ると、康太は真っ赤な顔をしていた
「伊織はウェディングドレスを着たオレを犯るじゃんか!」
「当たり前でしょ?
僕だけの姿を愛さなくてどうします?」
「……ドレスに精液がかかる…」
康太はそれは嫌だと言った
「……純白のドレスを着た康太を僕の色に染めるんです」
「………ドレスが……」
「ドレスは、クリーニングに出せばよいのです!」
「……伊織……」
「何時か着てくれますか?」
康太は榊原の胸に顔を埋め
「ん……」
と答えた
気を良くした榊原は康太の上にのし掛かった
「……ぁ……でも缶が沢山付いた車は嫌だからな……」
「………康太、愛してます」
執拗な接吻をされ流される
こんな初夢
見るんじゃなかった
姫始めで酷使された体躯を開かれ……
康太は後悔した……
榊原ならやりそうだったから……
もう二度と
初夢なんか見ねぇ!
康太の空しい叫びが
寝室に響き渡った
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