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第22話 奇跡の地球(ほし)⑤

炎帝は何も求めなかった 本当は柔らかいベッドの上で抱きたかった 惹かれて 愛して 骨抜きになっていたのは青龍だ…… 如意宝珠を人の世に堕ちる瞬間 黒龍の所へ弾き飛ばした 何も持たない男になって炎帝の傍にいる 青龍の覚悟だった その如意宝珠が青龍の手に戻って来た 魔界から還った康太が持っていたのには驚いた 「目を瞑って… そして手を出してみろ」 と言われて目を瞑り手を差し出した その掌に乗せられた瞬間 掌に如意宝珠が吸い込まれて…… 身躯の一部になった 忘れていた感覚が戻って来た 「誰が?」 「黒龍が渡してくれって持たされたんだよ」 「黒龍……ですか 赤龍なら割ってそうですね」 「………そう嫌ってやるな…」 「僕は今は人の子で榊原笙が兄ですから……構いません」 康太は何も言わなかった 如意宝珠を手にして身躯は軽くなった そして何やら視界がチカチカし始めた 視界にノイズが入る様に…… そんな時、黒龍と地龍が榊原の前に姿を現した まさか……逢えるとは想わなかった 目の前に…黒龍の姿が…見えた 黒龍は…最後に見た時と変わらぬ姿で…笑っていた そして…その横には弟の地龍が… 黒龍が「おっ!やっと、お前に逢えたな!」と笑って手を上げた 地龍が…「本当に…数万年振りに…見ても重苦しいですな兄上…」と笑って手を上げていた 榊原は何も言わず…二人を見ていた 黒龍が、地龍を突っついた 「おい…見えてる筈じゃねぇのかよ」 「う~ん、寝てるのですかね?」 二人は…戸惑い…ボヤいた 黒龍は「まさか!兄の顔を忘れたとか…?」と信じられず…呟いた 地龍も「弟の顔も解らねぇのですかね!」と呟く 榊原は「いえ…覚えてますよ 我が兄、黒龍と我が弟、地龍 貴殿方にまさか…逢えるとは想いもしなかったので、失礼!」と取り成した 黒龍は「青龍、お前…宝珠をわざと置いて…炎帝と堕ちた…だろ?」と揶揄した 「人になるのに宝珠など不要 僕は宝珠より、炎帝を選んだ時点で…持つ資格などないと…置いて堕ちました 僕は金龍に誇れる自分でいたかったのですが…… 炎帝しか欲しくて堪らない現状に‥‥‥父上達に申し訳なくなったのです そんな僕が…持つのは相応しくないので飛ばしました」 榊原は…心境を吐露した 「赤龍が…お前を心配してるぞ」 心配してるなら…そこに居るだろ?普通? 「姿を現さないのに…?」 「現せねぇでしょ? 還らぬ弟に焦れて人の世界に迎えに行って住み着いてるから…」 「え!!嘘…」 榊原は…信じられず…呟いた 「嘘じゃねぇって! 嘘言っても得しねぇでしょ?」 黒龍は笑った… 魔界を出た時と…寸分違わぬ笑顔だった… 「青龍、お前さぁ…赤龍を誤解してる まぁ堅苦しいお前には…チャラく見えるのは仕方ねぇけどな… お前を一番期待して、誇りに思ってたのは赤龍だぜ! まさか炎帝と駆け落ちするとは想いもしなかったけどな!」 「…下半身に節操がないタラシでしょ?赤龍は!」 「まぁ…節操はねぇわな アイツはまだ本当の愛を知らねぇんだよ!許してやれ」 榊原は押し黙って要件を聞いた 「僕の前に出てきた要件は?何なんですか?」 「兄弟に逢うのに要件が要るのかよ?」 「…………ただ逢いに来ただけと…?」 「そうだ!」 「そうですか…」 黒龍は 「ならば!聞きたかった事を聞こうか? 青龍、お前は本当に炎帝を愛してるのか?」と問い質した 何処かで信じられなかった… 敷かれた決められた人生の上を淡々と生きて来た弟が… 破天荒な炎帝を愛して…一緒に人間界に堕ちた…なんて 信じられずにいた 榊原は黒龍の瞳を射抜き… 「炎帝を愛してます! 僕は炎帝しか愛せません この命、尽きようとも、僕は離す気は有りません! 愛して…惚れて…手離せない… もう炎帝に…哀しい想いはさせない! 青龍の時に…彼を軽く扱った… そんな想いは絶対にさせない! 愛してる!彼しか愛せない!離したくないんです! 離れろと言うなら…僕は彼を殺して…死にます! 彼は僕の命です… いいえ、僕の命より大切だ! もう…無くしたら生きては行けない… こんなに愛しいと…愛してると想った事は有りません 手にすれば…止まらない…位に…抱き潰してしまう… でも止まらない…愛してるから…抱いて確認したくなるんです」 榊原は…切々と語った まさか…青龍の刹那い心の内を… 語られるとは想ってもいなかった…黒龍と地龍は驚いた 無機質なロボット… 法の番人…青龍 彼に…感情が有ったとは… 誰よりも青龍は真剣に炎帝を愛しているのだと…知らされた 離れろと言うなら…炎帝を殺して…自分も死ぬと…言ってしまえる…愛だった 閻魔が、アレは炎帝と共に消える算段をするでしょ? と言った台詞が……蘇る 何も持たない男になっても…… 二人で手に手を取って消える事なら出来るだろう…… そうしたら閻魔だって容易には手を出せない 黒龍は「お前の感情が有るのに驚いた… お前は無機質なロボットみたいな奴だからな… 何処かで…信じられない想いもあった お前の本意を確かめる為に来た お前に逢えば……本気で炎帝を愛してると知れた 良かったよ!お前の本心が聞けて…… しかも…お前とこんな話が出来るなんて…想わなかったけどな!」 と本音を吐露した 地龍も「貴方が…魔界におられる時には、あまり話もしませんでしたね 何かを話してもバカにされてる…みたいで貴方を敬遠してました… 今の貴方は…変わられましたね 炎帝がいればこその変化なのですね…」 しみじみ…言葉を綴った 「地龍…君とはあまり話をしませんでしたね 僕はあまり良い兄ではなかった 黒龍達にとったら、あまり良い弟ではなかった 僕は…感情や愛なんて要らないと…妻さえ一度も抱いてはいません 愛した事も…好きと想った事もない 僕の初恋は炎帝です! 何時の時でも僕は炎帝しか要りませんせんでした」 榊原の言葉に…黒龍は 「ちょっと待て! お前…妻とはセックスした事ないのか…?」 「ないです! 初夜も迫られましたが…抱く気も起きませんでした それ以降…近寄りもしませんでした 無視して放っておいたら出て行きましたから!」 「なら、子供なんて…出来やしねぇよな!」 「出来ませんね 僕は炎帝しか抱いてません 炎帝は抱きましたよ 人間界に堕ちる迄の4年間…炎帝だけ抱いていました 僕は炎帝に愛の総てを注ぎ込みました 妊娠としたら炎帝なら解ります 妻と呼んだ女の顔すら想い出せません…」 おい!まぢかよ! と黒龍は頭を抱えた 青龍の結婚生活は…人間界に堕ちるまでの…4年と少し…と言う事は… 「おい…4年って……新婚当初から…炎帝と出来てたのかよ!」 「そうです!」 榊原は、サラッと言った 黒龍は信じられなかった…… まさか……魔界にいる時から出来ていたなんて…… 知らなかった 炎帝の片想いだと想っていたから…… 「そもそも、僕は結婚なんてする気もなかったのです だけど僕は‥‥‥親父殿の誇れる青龍でいたかった‥‥‥ 家族の為一族の為だ…と自分を騙して結婚した… 僕は式の間中…隣りに座っているの花嫁が炎帝なら良かったのに……と想いました」 「…………お前の妻… お前が失踪してから出産して…その子供は…青龍の息子だと…後継者の申請してるぞ…」 「僕が戻る事はないと思ってるんでしょうね… 僕は…性欲が無かったんです 欲しいのは炎帝だけでした 炎帝を想えば尽きる事のない性欲も…他の誰かじゃ皆無でした 思春期の頃も…寝てみた事は有りますが… そこまで…良くはなかったので… それ以来…セックスしてません ですから我慢して…妻を娶ったとしても…抱く気すらしませんでした」 と榊原は…青龍の時を思い出し……語った 黒龍は…「なら……あの子供は…お前の子ではない……と?」と言うしかなかった 「一度も抱いてないのに、妊娠するなら…僕は凄いですね… その調子で炎帝を孕ませてみせたいものです!」 榊原は苦笑した 黒龍はビシッと背筋を正すと、地龍も背筋を正した 「青龍、次の転生はない! 魔界に還られる事に決まった!」 「ならば、兄さん、僕の子供なんていたら、炎帝は暴れますよ… 炎帝が愛するのは昔も今も僕だけです 僕は炎帝しか抱きません 妻の子供は僕の子ではありません!」 榊原は、兄と弟に…本心を…語った 「炎帝は僕しか愛しません! 僕を愛してるので、僕を誰かと共有する気なんて、更々ない! 僕も炎帝を誰にも触らせる気もないです! 髪の毛一本、誰にもやりません! 炎帝は、僕のモノです! 僕だけのモノです! 炎帝を手にしたら一晩中でも抱けます 抜かずに…何回だって犯れます 自分の中にこんなドロドロとした欲望も感情もあるなんて想いもしませんでしたが、これが僕です 僕の妻は未来永劫、炎帝唯一人 僕は魔界にそれを知らしめるつもりです 僕の妻は炎帝しか考えていません それを許してくれるなら魔界に還っても良いです」 そして、晴れやかに榊原は、笑った 黒龍も…地龍も…見た事のない笑顔だった 黒龍は想わず…「一晩中…」と呟いた 地龍も想わず…「抜かずに…何回も…」と呟いた 榊原はクスッと笑って 「先日、抜かずの7回やりました」と付け加えた 「お前…本当に…青龍か?」 黒龍は想わず…聞いた 「抜かずで…7回…すげぇな…炎帝…良く体が持つな…」 地龍は…信じられない想いで一杯だった 「黒龍兄さん、貴方の姿が見えてる時点で僕は貴方の弟です… 地龍…炎帝を手にすると暴走してしまうんです… 愛してますからね」 榊原はそう言い幸せそうに笑った 黒龍はしみじみ弟の顔を見て 「お前…そんな風に…笑えるんだな 俺はお前の兄として…生きて来たが… そんな笑顔は見た事はなかったな… 青龍…幸せか?」 「幸せです! 幾度転生しようとも僕には炎帝がいた 辛い事も…沢山有りました 悲しい事も…沢山有りました 幸せな時ばかりではなかった でもその時…総てに炎帝がいて…僕は炎帝と生きて来た… 炎帝と一緒だから乗り越えられた… 愛してると…想えば…堪えれた 痛みと辛さ…楽しさに幸せ…人として生きて来た日々は…僕には大切な時間だったんです」 黒龍は…目頭を押さえた 「俺は…お前の兄である事を誇りに思う そして、炎帝の友だと言う事も…誇りに思う 無事、帰還される事を願っております お前が帰れるように…妻の件は片付けておこう 炎帝が嫉妬して泣くのは…可哀想だからな…」 地龍も涙を拭った 「今の貴方なら…誰よりも公明正大な裁きが出来る事と想います 人間界で悔いのない日々を送られる事を願って止みません 人間界での寿命を全うされましたら、愛する炎帝と……帰還される事を願っております」 姿勢を正されて言われたら、榊原もそうぜずにはいられなかった 姿勢を正し… 「有り難う御座います 地に堕ちた…四龍の恥さらしと言われても…仕方のない僕の事を… 忘れず…こうして逢いに来て下さった事を、感謝します またお逢い出来る日を楽しみにしております」 深々と頭を下げた 「青龍!我が友、炎帝にヨロシクな」 黒龍は、そう言い笑った 「兄さん、炎帝を壊さぬ様にな 今の炎帝は…ちぃさぃからな」と言い笑った 四龍の兄弟との再会だった 人の世に堕ちて叶わぬ事だと諦めていた 誇り高き龍で在ろうとした だが炎帝への愛を止められなかった 榊原は黒龍と地龍に逢ってから…… 何時も想っていた 人の世に墜ちた赤龍の事を…… 炎帝は「お前の誤解だ…」と言った 黒龍も「お前が嫌う程の奴じゃない…」と言った 龍は願えば叶わぬ事はないのなら… 逢わせて欲しかった 我が兄、赤龍を…… 人の世に住み着いた…赤龍に逢わせて下さい!と願った… すると…目の前に…愛と平和を司る…赤龍が現れた あぁ…思い出した 1番上の兄、黒龍は、闇と光のバランスを司り 2番目の兄、赤龍は、愛と平和を司る 3番目の自分は…法と規律と秩序を司る 4番目の弟、地龍は地脈のバランスを司る 四龍兄弟…として、自分は…生きて来たのだ 炎帝の兄は…雷帝…現、閻魔だった… 赤龍は、愛と平和を司る…と言う名目で…女を侍らして…いた 榊原の前に立った…赤龍は…笑って声をかけてきた 「やっと逢えたな青龍! まぁな、おめぇとは何時も逢ってるけどな」 赤龍はそう言い笑った 「…………貴方…僕を呼びに来たわりに、毎日楽しそうですね…」 「そうか?」 「そうです…… 貴方が…赤龍だったんですね…」 「おめぇが、中々還って来ねぇからな… 様子を見に…来て、根を下ろした 今世は無理だぜ! 還れと言われても俺には遣る事があるからよぉ!」 「見れば解ります 誰も還れなんて言いません」 「そう言うな お前が余裕もなく康太を愛してるのは解った… もう、炎帝とは離れられねぇのもな 前よりも…お前と近くなれるぞ! 今の俺ならなら腹を割って話も出来る、違うかよ?」 「そうですね 今の貴方なら、同じ目線で話が出来ますね 僕は君が赤龍だなんて想いもしませんでした…」 「ははっ!お前は本当に変わったな!」 「貴方も変わられた 僕は気付きませんでした…」 「宝珠を持たねぇからだろ?」 「違いますよ… 貴方が…人として…馴染み過ぎなんですよ」 「そうか?」 「思い出しました…赤龍は…炎帝を…」 「言うな!それは言うな…! 俺と炎帝は友達だ! 今も昔もな…!」 「今世を満喫してますか?」 「してるぜ! 悔いのない人生を…送って…康太に報いる その為に、俺は毎日を送ってる! 手を抜くことなくな!」 赤龍が炎帝を誰よりも贔屓にしていたから… 余計…目の敵に…していた 赤龍の事だから…絶対に、手を出していると…想った 「…………赤龍、貴方が…愛人を何人も作ってると思ってました… でも……誰よりも一途で…誰よりも…愛していたんですね…」 「カビが生えた様な昔話はもう良い」 同じ台詞を言われて、榊原は笑った 「我が弟、青龍よ! その命…尽きるまで人としての生を全うされよ! 悔いのない日々をな」 「はい!貴方も…悔いのない日々を…送って下さい…… 緑川一生として」 「おう!俺は…日々…楽しんでんぜ!」 「…でしょうね 所で…朱雀は…何故今世にいるのですか? 貴方と共に来たのですか?」 「四獸…として青龍を欠かしてやる気はねぇと…お前を連れに行くと言うから…一緒に来た…」 連れに来たと言う割に…… 赤龍も朱雀も楽しいそうだった 「朱雀は炎帝贔屓でしたからね… 今も…刹那過ぎる想いを…抱いて、飛鳥井の家の裏にいたなんて…」 榊原の言葉に赤龍は、笑い…背筋を正した 「青龍!悔いのない日々を送れ!ならな!」 「はい!我が兄…赤龍……」 榊原は姿勢を正した 赤龍が嫌いだった 黒龍同様炎帝と仲良かったから…… 何時も飄々として掴み所がなく……タラシに見えた 両親や兄弟と距離を持ちすぎて…… 見てなかったのか? 何も見ていなかったのか…… 知らない部分に驚いた 緑川一生は何時も榊原を気にして声を掛けてくれた 困った事や…… 康太がどうなったのか…… 気にしていると何時も何処からとなく現れた その姿に安心した 赤龍はどんな想いで…… 榊原伊織の傍いたのだろう? 何も覚えていない弟の傍にいたのだろう…… 旦那…… 何時もそう呼んで近寄って来る存在が憎めなかった それもその筈だ…… 兄なのだから…… 何も知らない弟は…… 兄に対してかなり厳しく取り締まった 一生はどう想ったのだろう…… 榊原は……涙した 緑川一生として傍にいてくれた日々は…… 優しく暖かかった…… 絶対の信頼 一生なら! そう想えた 康太の傍に置いて置いても妬けない存在 飛鳥井康太の為だけに生きている存在 それが緑川一生だった 兄さん……… 僕は貴方が赤龍だなんて知りませんでした 貴方はどんな想いで…… 僕を見ていたのですか? 「伊織、愛してるかんな!」 榊原の膝の上に向かえ合わせに座って康太は愛を囁く 「僕も愛してます奥さん」 榊原は康太の唇に口吻た 横に座っていた一生がエスカレートしそうな2人に…… 「おい……」 と文句を言った 「何ですか?一生」 「……始めるんじゃねぇぞ…」 「始めませんよ、勿体ない」 「お前は……敢えて見せる時があるもんな……信じられねぇ」 「そんな事ないですよ 気のせいです!」 康太は榊原の上から下りて、慎一の所へ行って 「慎一、何か食わせろ」 と催促に余念がない 慎一と共にキッチンに向かうと、聡一郎も隼人も応接間を出て行った 榊原は一生の顔を見ていた 「あんだよ?顔に何かついてるかよ?」 「………君はどんな想いで…… 記憶のない弟の傍にいたんですか?」 「俺に取ってお前は誇りであり自慢だ それは昔も今も変わっちゃいねぇ… 覚えてなくても青龍で、俺は嬉しかった 青龍はやはり炎帝を愛すんだと解って安心した 絶対の絆で繋がっていてくれ… お前と炎帝と共にいてぇんだ 何時も……何処まで……もな」 「……一生……」 一生は優しく榊原を抱き締めた 「俺はお前が炎帝と幸せで笑っていてくれたら…… それで良いんだ……」 榊原は微笑んだ 魔界で見た事のない笑みだった こんな顔出来るなんて知らなかった 見れて良かったと想う 知らなくて通り過ぎなくて良かったと想う 重なり合う想いは先へと続く 一緒に… その想いは今世の限りではない 共に…… その想いは来世も続く 君のいる場所にいたかった 君へと続く場所に… 共に逝く 来世へ向かって… 君と共に…… 「一生、キッチンに行きますか?」 「だな!」 並んで歩く 榊原の方が少し背が高いのが…… ムカつく…けど それでも愛しき弟だった ガキっぽく唇を尖らす顔が金龍に似ていて笑えるけど それでも愛しき兄だった この奇跡の地球で巡り逢えた真実を… 忘れはしない 君と共に…… 君達と……共に 「伊織!来ねぇと食っちまうぞ!」 康太が榊原を呼ぶ 「そしたら寝かせませんよ?」 「それは嫌だかんな なら食わない……」 榊原は笑って愛する康太を抱き締めた 愛しています 来世も…… 榊原ver         END      オレの蒼い龍     お前だけを愛してる

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