25 / 38

第25話 恋人たち③

【恋人たち】 康太はソファーに座って、榊原の肩に寄り掛かった 力哉と一生はお揃いの指輪をはめていた もう離れない証を、力哉に贈ったのが解る 聡一郎は耳にピアスをしていた 蒼い……聡一郎の瞳と同じ色だった そして首にはお揃いのエンゲージリンクがネックレスに通っていた 聡一郎と悠太も…… 永遠を誓ったのだ 康太は隼人の肩を抱いた 「隼人は……恋人いないのか?」 「……まだ良い…… 康太……オレ様は康太とずっといたいのだ……」 「いるだろ?」 「……死んでも康太といたいのだ……」 「………隼人……」 「聡一郎は悠太と…… 一生は力哉と…… ずっと離れず一緒にいるんだろ? ならオレ様は康太とずっといたい…… 離れたくないのだ……」 「……隼人……」 「……次……生まれ変わっても……康太がいないのなら…… オレ様は生まれ変わりたくないのだ…… 康太がいなければ……生きていたくないのだ……」 康太は隼人を強く抱き締めた 「……隼人……オレの長男だろ? ずっと……オレの子供でいろよ…」 「……それは……今……生きてる間だけだろ?」 「……オレとずっといたいか?」 「……康太とずっといたいのだ…… オレ様はずっと神様に頼んでいる この世に神様がいるなら…… オレ様を康太と一緒にいさせてくれ…と願っている…… 無理なのは……解っている…… オレ様は…何も持たない人間だから…… 何時か康太と離れなきゃいけないのは……解っている」 「……離れなくても良い オレの長男でいろ! オレと共に来れば良い……」 「……康太……オレ様は……お前がいないと生きられないのだ… だから…オレ様を置いていかないでくれ……」 「隼人大丈夫だ! 我ら四悪童は何時までも共に在る!」 隼人はずっと不安だったのだ…… 何時か別れる時は来る それでも康太といたいと想うのだ 隼人は泣いて……泣いて…… 泣き疲れて眠った 隼人の頭を音弥は撫でていた 慎一が隼人にブランケットを着せた 「慎一 何処まで行っても世話のかかる長男だ……」 「貴方の長男ですから……責任は取らねばなりませんよ 大丈夫です!俺は何処までも貴方に仕えて行きますから!」 康太は嬉しそうに笑った 「………慎一、誰かを愛さねぇのか?」 「………俺は貴方を総てにおいて優先します! 優先したいのです…… ですから……俺と一緒になっても……幸せにはなれません 俺には主さえいれば良いのです」 「………慎一、お前が何時か誰かを愛して……愛されて欲しいと願うのは……主として当然じゃねぇかよ……」 「俺は貴方に仕えられれば良いのです 我が子がいます…… 貴方がいます ……そして皆がいます……」 「………慎一 ありがとう…」 「……未来永劫、俺は貴方に仕えたい…… 今世限りかと諦めていました でも貴方は……来世も仕えて良いと言って下さいました 俺はそれだけで良いのです」 「………慎一…」 慎一は何も言わず、康太の前にプリンを置いた 「俺の事は良いのです 貴方が元気にいてくれれば……」 「慎一は、んとにオレに甘ぇよな!」 「大丈夫です 他には厳しいので丁度良いです」 榊原は康太を抱き締めた 「貴方達は本当に仲が良い 貴方達の様な恋人たちには適いません…… 俺はそれを傍で見守れれば良いのです」 康太は榊原の膝に跨がると 首に腕を回した 「伊織、恋人たちの時間だ…」 康太はそう言い榊原の口に口吻た プリンの匂いのする唇に蕩けさせられる 榊原は康太を抱き締めたまま立ち上がった 「慎一、後は頼めますか?」 「はい!恋人たちの時間を満喫して下さい」 榊原は笑顔で寝室へと向かった 「伊織、愛してる」 「僕も愛してます」 榊原は寝室のドアを開けると、康太をベッドの上に置いた ドアの鍵を掛けて 榊原は服を脱いだ 康太も服を脱いで、ベッドの上で榊原を待った 榊原のペニスは既に勃ち上がっていた 甘い時間が二人を包む 榊原は康太を押し倒した 甘く鳴かせて…… 一つに繋がる 愛してるから身も心も繋がりたいと願うのだ 恋人たちの上に 祝福があります様に… その出会いは奇跡なんだから… 当たり前の日々なんて来ない 毎日を二人で築いていく 諦めた時…… その先がなくなる 諦めず……築くから明日へ繋がるのだ 愛してる…伊織 恋人たちの時間は甘く幸せに満ちていた 愛してます康太… 離れたくないから…… 互いを離さずに…… いてください

ともだちにシェアしよう!