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第6話

「よし、仕事仕事」  それにしても、本当にアズサ相手には力まずに話が出来ているのだなとふと思う。  気さくでありながら適した距離感、理由は果たしてそれだけか。ああ、もしや好いている声優とたまたま同じ“あずさ”という名だからだろうか。  まさかそんな事で、と自分で見出した仮定に苦笑しながら怜は事務所内へと引き返す。  余程相山梓の新作に自分は浮かれているようだ。CDの声を思い返しながら、怜は帰路にも聴こうと心に決めた。

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