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第18話

「家、この辺ですか? さっきのヤツ家まで来ちゃったりしません?」 「それは大丈夫です……じゃなくて、大丈夫、だよ」 「ストーカーだったりは?」 「ううん……フラれたのは僕のほうだから。それ以降来た事なんて一度もないし」 「そっか、分かりました。でも近くまで送らせてください。俺が心配なので」  何事だったのかと思っているだろうに、助けてくれたのだから知ろうとする権利があるだろうに、アズサは深く聞きはしなかった。それが申し訳なくもありがたい。  きっとその程度は察しているだろうと、男同士ではあれ恋愛沙汰なのだと含ませてもただただ小さく頷くだけだ。  アパートまでの道をゆっくり歩きながら、時折話しかけるアズサの声に怜は耳を傾ける。落ち着いた声色は月夜によく似合っているなと思う。

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