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第43話

 一頻り泣くとまぶたが薄らと重くて、けれど頭はすっきりとしている。  怜は梓からそっと離れ、視線をそろそろと彷徨わせてから梓を見やる。  すると微笑んだ梓に「ん?」なんて首を傾げられるから、その仕草に胸の奥が甘く音を立ててしまった。  けれど深い意味はないはずだと心の中で首を振る。  それに怜は、まずは梓にきちんと説明をしたかった。ここまで巻き込んだのだから、知る権利が梓にはあるだろう。 「肩濡らしちゃってごめんね?」 「全然平気です」 「ありがとう。えっと、梓くん明日は朝早い? お茶でもどうかな?」 「いいんですか? じゃあ、お言葉に甘えて。明日は一日オフなんです。怜さんは?」 「僕も休み。じゃあ待っててね。紅茶は飲める?」 「はい、好きです」  時計はもう日付が変わる寸前を示していて、随分と遅いお茶会の始まりだ。お茶会と呼ぶには今から話すことを思えば、些か華やかさなんかは足りないけれど。

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