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陰陽 / id

「そこには行けない」 見えない線で 閉ざされた世界に 憧れただけ ひとつ・ひとつ と ひとつ・ふたつ と 数えることも虚しくなって 「そこには行けない」 見えもしない糸 繋がりもないのに 切り刻んだ ひとつ・ひとつ と ひとつ・ひとつ と 数えることが 惨いと泣かれた 手を伸ばせば否定され 手を下げてしまえば逸らされる こんな 僕に 影は 消えた 「そこには行けない」 見えない線で 閉ざされた世界が 嫌いなだけ ひとつ・ひとつ と ひとつ・ひとつ と 日を待つことが 哀しい日々 「そこには行けない」 誰もが目指す 対極の憧れが 眩しくて またね・またね と じゃあね・じゃあ と 期待すること 違っていて 刺されてた 手を伸ばせば否定され 手を伸ばせば誰彼逃げていく こんな 僕に 日向は なかった ここで叫んでも ここで泣いても 手のひらに触れるものは 何もない 合わせた目先には 真っ白などうしようもない無機質が ここで掴んでも ここで立ち尽くしても 較べる人はいなくて 足元に影が少し 見えた 手をかざせば笑われて 手を拡げると涙が零れて あぁ 光が 影が 僕に触れてくれた ここで叫んでも ここで怒鳴っても 反響すら 存在しなくて 塞いだ聴覚 でも 耳鳴りもどうしようもなく迷ってる 僕が笑っても 僕が泣いても 触れるのは自然の陰陽だけ それだけでも少し 笑う

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