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ワンダーダンサー「ego」 7
「帆乃くん?」
「う、嬉しく、て……いい、のかなって…俺……」
「当たり前じゃーん、私はこの帆乃たんのすべすべなお肌に触れて…あ゛ー…若いわぁ」
「ふへぇ⁉」
唯は帆乃の頬をムニっと両手で挟んで揉みしだく。すると唯の背後にいた理玖にチョップを落とされる。
「お前マジで邪魔、つーか狭ぇ」
「うっさい! 席変われよこのやろー! さっきから帆乃たん独占してて彼氏気取りですかぁ?」
「あ゛ぁ⁉」
「はい出た本性! 見た帆乃たん? このお兄さん王子様気取りしてて実はものっそい怖いからねー、女に手ぇあげるんだからね!」
「お前のどこが女なんだよ」
「ひっどーい! 帆乃たーん、私すっごく傷ついた! よしよししてぇー」
唯は再び帆乃に抱き縋った。帆乃は困惑しながら唯のサラサラロングヘアを撫でる。それを見て理玖はため息を吐きながら一樹の隣に移動して一樹のビールを当然のように奪う。
「なーんかなぁ」
「ん?」
「お前の帆乃くんへの接し方っつーか触り方よ。ガチで女落としにいってる感じ、っつーか王子様モード入っててくさかった」
「は? そんなことねぇだろ。普通だっつーの」
「それよりビール返せ」
「また頼んでやるよ」
タブレットで理玖はまた注文をするが、一樹の分はテキーラショットにする。
「悪魔ぁぁぁぁ!」
男2人がくだらないことをしている間、向かいの唯と帆乃はスマートフォンを取り出していた。
「帆乃たん、メッセのID交換しよ」
唯は積極的に帆乃にスマートフォンを差し出すが帆乃は戸惑いながら少し引っ込める。
「あ、あの……これ、社長が……連絡用にって、し、支給されたの、で……IDは…社長に、聞いて、みないと……」
その言葉を聞いた理玖は帆乃に前のめりになって訊ねる。
「帆乃くん、その電話、香島社長に繋がるの?」
「は、はい…」
「ちょっと貸して」
帆乃は素直に理玖にスマートフォンを差し出す。
そして長年の付き合いの一樹は察する。
(理玖…マジギレしてる………⁉)
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