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ワンダーダンサー「ego」 9
理玖の視線に気が付いた帆乃は顔を赤くして唯に縋って隠れる。
「ん? どったの帆乃たん」
「い、え……あ、あの…えっと……」
「いいよいいよ、お姉さんの胸に飛び込んでおいで」
「抱擁するするほどバストないくせに」
「はいカズキングは乙女の心を傷つけたー」
ハッと気が付いた理玖は一旦帆乃から目を逸らして、わざとらしく咳をすると改まって自分のスマートフォンを帆乃に差し出した。
「帆乃くん、俺ともID交換してくれる?」
帆乃は理玖の目を見て静かに頷いた。
3人ともが帆乃のIDをゲットすると宴が再開される。
「よっしゃあ! アネモネちゃん祭り再開じゃー! 帆乃くん! 次は何にしようか!」
「へ⁉」
「よし! 帆乃くんのリクエストで『そこの社畜ブタ‼』」
「言ってねぇし! なんだよその曲!」
ついていけないのは理玖だけで、帆乃は控えめに唯は思い切り一樹に合わせて合いの手を入れる。
「小田急! 総武! 東西! 南北! 東京メトロで地獄いきぃぃぃぃぃぃ!」
「あい! あい! あい! あい! 我らは社畜 ブヒブヒブヒィィィ!」
(帰りてぇ………)
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