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ハッピーバースデー 2

「え?」 「え?」 「ん?」  理玖は「俺、何か言った?」と自分で驚く。唯と一樹はしっかり聞いている。 「………会いたいって、帆乃たん、に?」 「あ………ま、まぁ……仲良くなった、と思ってるし」 「………………理玖、お前…帆乃くんに恋したな」 「………はあぁ⁉」  一樹の衝撃的な一言で理玖は顔を赤くした。 「は、てめ、一樹、てめぇ何言ってんだ! おおおお俺も帆乃くんも男だろ!」 「いやいやいやこの時代男とか女とか関係ねーから」 「俺3月までは彼女いたし!」 「1ヵ月で別れた子な。今までの彼女最長3ヵ月だろ。大体セックスした途端別れるってヤリ逃げじゃねーか」 「それはたまたまそういうタイミングだっただけだろ!」 「私としてはこんな最低男(クズ)でも是非幸せになっていただきたい。りくほのマジ尊い! りっくんは恋人としてはクズだけど帆乃たんに対しては王子様だから紳士細マッチョ攻め健気美少年受けは需要あるって」 「鈴野はなんの呪文を唱えてんだよ」  理玖は一気にげんなりした。助け船のようにスマートフォンにメッセージが入った。送信者は崇一だった。 『急で申し訳ないですが明日事務所に来てください。今後のことについてミーティングを行います』  電話越しで色々とお願いされたがきちんと会うのは初めてになる。  妙な緊張で唾を呑み込んで理玖は事務的に返信する。 (待って…これ勿論、帆乃くんも来るんだよな)  至極当然の考えが頭をよぎる。同時に昨夜の帆乃の笑顔とidの瞳を思い出して顔が熱くなる。  2人に揶揄われる前に理玖は荷物を持って席を立つ。 「今日は、もう課題やっから! 先帰るわ! じゃあな!」 (んなワケあるか! 帆乃くんのこと…俺がぁ⁉ ないないない! 男! 確かにidになったら美人…ではあるがあの子は男‼ くっそあいつら! 覚えてろ!)  理玖は早足で大学をあとに自宅へ帰っていった。

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