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snow drop 15
外に出ると少し曇って暗くなっていた。スマートフォンで時間を確認すると17時35分。
「帆乃くんって明日は学校、だよね」
「はい……」
「なんか、昨日と今日だけなのに、ずっと一緒にいた感じがするな」
「俺も、です」
代々木公園駅の出入り口が見えてきた。
「また…今度……土曜日に、理玖さんの家に…その…」
「うん、待ってるよ」
「…………帰りたくない」
帆乃はそっと理玖のシャツの裾を掴んだ。理玖はその手首をそっと掴んだ。
「俺も、帰したくない」
「………ちゃんと、頑張るから…学校も、生活も、idも…頑張るから…」
「うん」
「次のお泊りの時……頭を撫でて欲しいです」
「嫌ってくらいしてあげる」
「わがまま言っちゃうかも、しれないですけど…いいですか?」
「いいよ。いっぱい叶えてあげる」
「声聴きたくなったら、電話してもいいですか?」
「俺は今夜にでも電話しちゃうけどいい?」
帆乃はコクコクと頷いた。
「会いたくなったらいつでも俺は駆けつけるから、ね?」
「はい…」
帆乃は安心したように笑うと理玖から手を離した。
「理玖さん、バイバイ」
「またね」
理玖は帆乃が階段を下りていく背中を見送ると、帆乃の手首を掴んだ指を口元に持っていきキスをする。
(帆乃くん……大好きだよ…)
地下鉄のホームで電車を待つ間、帆乃は理玖に掴まれた手首を大切に撫でた。
(理玖さん……大好きです……)
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