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番外③ 男子高校生の食欲とXX♡ 3

「あ、もうラストオーダーだって」 「私お腹いっぱーい」 「俺もウーロン茶でいいや。帆乃くんは?」 「えっと…石焼ビビンバとユッケジャンスープの辛口と韓国風焼きそば……あ、きなこ餅のアイス添えとショコラサンデーも」  帆乃のラストオーダーをタブレットで打ち込みながら一樹は唖然としていた。  すでに100分越えで他の3人はアルコールすらもう腹パンで入らない状態なのに、帆乃はノンストップでご飯を食べ続けていた。 「帆乃たん…あんたどしたのマジで……まさか普段全然食べさせてもらえてないの?」 「そ、それはないです……ちゃんといつも食べてます、よ?」  帆乃は心配をしないで欲しいというように否定をするが、大食いファイターの域に達している食事量は心配せざるを得ない。 「ちょっと前は、お腹いっぱい…って、なってたんだけどなぁ…」 「帆乃くん、ボイトレ頑張ってるからじゃないか?」 「そうなんでしょうか…」  不安そうに眉を下げる帆乃を酔っぱらい彼氏はいつもより少し強めに髪の毛をわしゃわしゃと撫でた。  ラストオーダーの食事も平らげて会計を済ませると、満席で盛況している店をあとにした。 「あー! 調子乗って飲んだわー! なんでマッコリいっちゃったんだろー! もー酒飲まねー! 一生飲まねー!」  少し歩いて人のいない公園に到着した途端、理玖は公園に入ってそう叫んだ。帆乃はびっくりして理玖を見るしかできない。 「あー始まったわ…」 「マジで久々だろ。テストとダンスが被ったのがよっぽどストレスだったんだなぁ」 「というか帆乃たん禁止期間がストレスだったんじゃね?」 「え……」  2人の会話から自分のせいなのかと思った帆乃は涙目になって唯に駆け寄る。 「俺のせいですか? 理玖さんがお酒いっぱい飲んじゃったの…」 「んー…」 「あーそんなこと」  一樹が「そんなことないよ」と言おうとしたが、唯が何か悪だくみを思いついたようで。 「そうだよー、帆乃たんのせいなんだよねー。荒れに荒れまくってたもんなー。帆乃たんが、テスト期間中は会わない方がいいですねー、なんて言って2週間以上帆乃たん不足に陥って、酒を飲んだらあーなっちゃうよー」 (すげぇわざとらしい棒読み…そして帆乃くんが見事に騙されて泣き始めたよ⁉) 「酔ったから踊りまーす! エントリーナンバー、にひゃく、えーっと…なな! みなさと、りくさんでーす! ドン・キホーテのバリエーション! …ずんちゃっちゃっ」 (あっちはあっちでなんか始めやがったし!) 「おい! 理玖、酔っ払いがバレエやんじゃねぇよ! ケガするぞ!」  一樹はすぐに理玖のもとに駆け寄って飛び跳ねようとする理玖を止める。しかし時すでに遅し、最初の「ずんちゃっちゃ」だけ口で歌ってそれからは体に染みついた感覚で理玖はサイレントで踊り始めた。  死ぬほど練習したというその踊りは、酔っ払っていようが跳躍の高さ、ブレないターン、最初から最後まで美しく、たまたま公園にいた人や理玖が見える場所にいた人も足を止めて見入っていた。  冷静な一樹だけは「あーあ」と呆れていたが、酔っ払いの唯や陽キャな学生が「フゥー!」と囃し立て、ちょっとしたストリートパフォーマンスが成立してしまった。 (理玖さん……お酒飲んでも…あんな華麗に踊れるなんて……毎日カッコいい……けど、なんか……俺……今日はムズムズする…) 「わかりましたぁ! つぎはぁ……ジゼル、やりまーす!」  唯を筆頭に「アンコール」が発生して陽気になった理玖はまたバリエーションを踊り始めた。 「理玖ー! 戻ってこーい! てか鈴野、お前も止めろ!」 「いいぞりっくーん! ふぅー!」 「絶対アイツらに大酒飲ますの止めよ……」  帆乃は2度目の理玖のダンスからは目を逸らして、喉、胸、腹、下腹部に襲い掛かる変な感覚と微熱のような体温を鎮めることに努めていた。 (何…このキュンキュンとムズムズ……妙に熱いし…やっぱり俺、変だ……)

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