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4-10-3 温泉宿へ(3)

昼食の準備が始まった。 中居さんが、次から次へとお部屋にお皿を運んでくる。 雅樹は、その間に飲み物を注文する。 「全部、お持ちしますね」 「はい、お願いします」 雅樹が答える。 懐石だと、食べ終わったら次、というイメージがある。 でも、ランチだからそんなに手間を掛けられないのかな、と勝手に想像する。 テーブルの上は、二人分とは思えないほどの皿が乗った。 「ご飯のおひつも置いておきます。では、ごゆっくり」 中居さんは、お辞儀をして去って行った。 「これは、豪華だな!」 「本当に、すごいや!」 僕と雅樹は、テーブルを見回し思わず声をだした。 さっそく、雅樹のお腹が、ぐぅーとなる。 雅樹は照れ笑いをすると、手を合わせた。 「じゃあ、いただきますか?」 「うん。たべよう!」 僕と雅樹は、手を合わせてお辞儀をした。 「いただきます!」 どれも、これも美味しい。 やばい。 ランチなのに、こんな食事いいのだろうか……。 山の幸、海の幸、肉や刺身に天ぷら。なんという豪華さ。 しかも、こんなに美味しくて。 しばらくの間、美味しい、美味しいと連呼しながら箸を進めた。 半分ぐらい平らげたところで、雅樹は思いついたように言った。 「あっ、そうだ。めぐむ、これいるか?」 僕に小鉢を勧める。 「えっ? どうしたの? 苦手なものでもあった?」 「いや、ほら、すこし食べる量減らそうかなって思って……」 あっ、しまった! 僕は、なにも考えずにバクバク食べてしまっていた。 「あーっ。忘れていたよ。僕も、ダイエットしなきゃ!」 そう言っている間にも箸は止まらない。 パクパク。 「でもさ、めぐむ。美味しくて、正直残すのもったいなくない?」 雅樹も、食べるペースは変わらない。 パクパク。 「そうだよ、雅樹の言うとおり。残すのは料理を作った人に失礼だよね」 「うんうん。確かにそのとおりだ。めぐむ、いいこと言うな」 むしゃむしゃ。 「そういえば、ダイエットってお米を減らすのがいいって聞いたよ。おかずは全部食べようよ」 「よし、ご飯をなしにしよう!」 パクパク。 しばらく、無言で食べ続けた。 雅樹が切り出した。 「なぁ、めぐむ。俺さ、貧乏性でさぁ。ご飯が無いと、おかず食べれないんだよ、やっぱり」 「雅樹もそうなの? 実は僕も……やっぱり、ごはんないとね」 「じゃあさ、一杯だけってどう?」 「うん、いいね、そうしよ!」 僕と雅樹は、おひつからご飯を一杯ずつ盛る。 うん。 やっぱり、ご飯と一緒だと尚美味しい! ほっぺが幸せ……。 「やっぱり、美味しいね!」 「ほんとうに、うまい!」 パクパク。 また、しばらく無言で食べ続ける。 「あーっ。しまったな」 「どうしたの?」 「最後のステーキ。これさ、大事にとっておいたんだけど、ご飯なくなっちゃったよ……」 「そうなんだ。僕は、この煮物なんだけど。味が少し濃くて、ご飯がいるんだ……」 暫し沈黙。 雅樹は、恐る恐る提案した。 「もう一杯ってどう?」 「そうだね、これで絶対に終わり。もう一杯だけ」 二人とも、これはしょうがないもんな、と、うんうんと頷く。 僕と雅樹はおひつからご飯をもう一杯ずつ盛った。 そして、またもくもくと食べ始める。 ああ、よく味が染みている……。 口いっぱいに美味しさが広がり、ご飯がどんどん進む。 今度は、おかずはしっかりとなくなった。 僕はお茶をすする。 「ふぅ、食べた、食べた。あぁ美味しかった」 「うん。久しぶりの懐石料理、うまかった!」 雅樹もお茶をすすり始める。 お漬物があったので、味見をしようとカリカリとかじった。 ん? これは? 「ねぇ、雅樹。このお漬物食べてみてよ」 「ん? これか?」 「そう」 雅樹も、お漬物をカリカリとかじった。 「なにこれ! すごくうまい!」 「でしょ?」 「これさ、ご飯に絶対合うと思うんだよ。ちょっと試してみよう!」 「うんうん。確かに合いそう。僕もちょっと試してみる!」 二人とも、我先にと茶碗にご飯を盛る。 そして、お漬物をご飯に乗せると、口いっぱいに頬張った。 「やべぇ、最高にうまい!」 「ほんと、幸せ!」 パクパク……。 僕と雅樹はお腹が膨れて寝ころんだ。 「もう、食べれない……」 「僕も、もうだめ……」 目を閉じて満腹感に浸っていると、雅樹がつぶやいた。 「結局さ、俺達3杯食べたんじゃない? ご飯」 「……うん。そうだね。3杯だね」 「……」 「……」 「あはは。ダイエットっていっているのにな」 「ふふふ。意思弱いよね」 「でもさ、俺はともかく、めぐむは3杯ってすごくない?」 「うん。こんなに食べたの久しぶり!」 僕が嬉しそうにそう言うと、雅樹もにこっと笑った。 ああ。 こんなに幸せでいいのかなぁ。 大好きな人と二人っきりで出かけて、一緒に温泉に入って、美味しいものを食べて、こうやって微笑み合う……。 僕は、雅樹の方に手を伸ばして雅樹に触れようとした。 すると、僕をじっと見ていた雅樹が言った。 「めぐむ、お腹、出たんじゃない?」 「なっ! なんてこと言うの!」 僕はごろごろ転がりながら、仰向けに寝そべる雅樹の上にのしかかる。 そして、うつ伏せで覆いかぶさった。 「めぐむ! おもい、おもいよ!」 「ふふふ。意地悪の仕返し!」 でも、なんか落ち着く。 雅樹と密着していると……。 僕は自然と雅樹の浴衣をはがし、胸板にキスをした。 そして舌を這わす。 「ねぇ、雅樹……」 「なに?」 「僕ね。言っていなかったかもしれないけど、雅樹が上半身一回り大きくなって、ドキっとしちゃった」 「え?」 雅樹の瞳が大きくなる。 「うん。だからね。胸板も肩も背中も、僕は好きかも。いまの雅樹の体」 「本当か?」 雅樹は、嬉しそうな声を上げた。 あれ、なんか、雅樹のあそこに当たっている部分がツンツンされる。 「じゃあさ、俺も言ってなかったからいうけどさ」 「うん」 「めぐむのお尻とか二の腕とか、こうやって触るとさ、柔らかくってものすごく俺好み」 そう言っている間にも、雅樹は僕のお尻をいやらしく揉んでいる。 そして、僕の二の腕を押さえて、はむっと咥えた。 「あっ、あん……」 思わず、喘ぎ声が漏れる。 雅樹のあそこが、むくっと起き上がるのを感じる。 「ねぇ、雅樹、おっきくなってきてない?」 「はぁ、はぁ、それはそうだよ。こんないやらしい、めぐむの体を触っているんだもん」 雅樹は、執拗に僕のお尻を揉む。 僕は、あまりにも気持ちよくて体を反らす。 僕の浴衣はいつの間にかはだけている。 黒いレースのブラがあらわになる。 「あっ、あぁん……雅樹、でもよかった」 「なにが?」 「僕の体、雅樹好みなら、ダイエット要らないよね? あっ、だめ……」 「はぁ、はぁ、そうだな。俺もめぐむ好みだから、ダイエットしなくていいんだよな」 「あっ、あっ、ううん、違うよ」 「えっ、なにが?」 雅樹の僕のお尻を揉む手が止まる。 僕は逸らした体を戻すと、雅樹の鼻先まで顔を近づける。 「だって、ここは僕、やだもん」 僕は、雅樹の腰の横のお肉をぎゅっと摘まむ。 「いてー!」 「ふふふ。でも、明日からでいいからね」 僕はそう言うと、雅樹の唇を塞ぐ。 んっ、んっ、ぷはっ……。 「ねぇ、雅樹。ちょっと汗かいたから、露天風呂にいかない?」 「いいよ。めぐむは、露天風呂でエッチするの夢だったんだもんな?」 「えっ、そんなこと言ったっけ?」 「言ってないよ。なんだ、図星か? 相変わらずエッチだな。めぐむは。ははは」 「もう!」 僕は、雅樹の鼻をぎゅっと握った。 そして、痛がる雅樹の鼻にチュッとキスをした。 雅樹は、優しい笑顔を僕に向ける。 ああ、キュンとする……。 まだまだ、幸せになるだ僕は。 今日は、大好きな人と、ずっとイチャイチャ。 そして、思う存分エッチするんだ。 僕は、欲張りなんだからね! ふふふ……。

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