36 / 60
4-12-4 同好会活動!(4)
熱気が充満する。
はぁ、はぁ、という、山城先生の息使い。
そして、ちゅっぱ、ちゅっぱと、松田君の口から漏れるいやらしい音。
松田君のフェラは、まだまだ未熟。
でも、とても一生懸命なんだ。
僕は、頑張って! と心の中で応援する。
「ん? なんだか、あまり気持ちよくないな……」
山城先生の呟きに、僕はハッとした。
「えっ? そっ、そうですか? ちょっとやり方を変えたのがまずかったなあ……ははは」
僕は、松田君の肩を叩き、合図を送る。
(松田君、ちょっといい?)
(えー。せっかく、いいところなんです!)
松田君は、山城先生のペニスをなかなか離そうとしない。
このままでは、拉致が開かない。
僕も山城先生のペニスを握って、自分の方へ引っ張ろうとする。
そうすると、今度は松田君が引っ張る。
「あっ、痛い……いや、これはこれで気持ちいいか」
山城先生が言う。
(松田君!)
(会長!)
僕と松田君は、お互いにペニスを握ったまま睨み合い。
よし! こうなったらしゃぶったもの勝ちだ!
僕は、口を開けてしゃぶりつく。
それ!
ゴチン!
目の前に星が飛ぶ。
あっ、痛い!
目の前では、松田君も頭を押さえている。
ぷっ。
松田君も同じ事を考えていたようだ。
「なんか、今、音がしなかったか?」
山城先生の言葉で松田君に隙が出来た。
僕は、すかさずペニスを奪う。
(やられた! さすが、会長!)
(ふふふ)
「山城先生、気のせいですよ。さぁ、ここからフィニッシュまでいきますね」
「おう、分かった。俺も我慢すっからな! 簡単にはいかされないぞ!」
僕は、柔らかい部分を優しく揉み上げながら、口にペニスを頬張る。
「おっ、気持ちいい。いいぞ!」
(ねぇ、こうやるの。わかった?)
(早く、俺にもしゃぶれせてください!)
(ちょ、ちょっとまってよ)
松田君は、僕が舐めている横から、舌をの伸ばし、竿の部分にしゃぶりついた。
「うぅ、すごい……なんだ、いままでにない気持ちよさ」
僕も負けじと、レロレロと、舌を這わす。
「なんだか、舌が2つあるようだ。すごい、テクニックだな……うぅ」
(もう! 松田君は!)
(会長こそ! もう離してください! 交代ですよ!)
(なにを!)
「いっ、いきそうだ!」
(俺がいただき!)
松田君は、はむっと口一杯に頬張る。
(もう! しょうがないなぁ。松田君、最後は、思いっきり先っちょを吸ってあげるんだよ)
(了解!)
「いくっ、あああ!」
ドクッ!
山城先生のペニスが大きく痙攣する。
それと同時に、松田君はずずっと大きく息を吸いこみ、そのまま精子を吸い尽くす。
「うぅ、なんだ。すごい……吸い込まれていく……どんどん出て行くようだ。気持ちい! あーっ」
山城先生の嬉しそうな叫び声。
松田君は、そのまま口に含んだ精子を、ゴクッと飲み干した。
(ああ、山城先生の愛のミルク! 俺の中に……ああ、興奮する)
もう、せっかくの僕の練習の機会だったのに!
「なぁ、青山、もうマスクは取っていいよな? 今日のは、いつもと違って変わった感じだったな」
山城先生は、アイマスクのゴムに手をかける。
僕は、慌てて言う。
「あっ、先生。ちょっとマスク取るの待って!」
松田君は、まだ大事そうに山城先生のペニスをいい子いい子するように撫でている。
(ほら、松田君。余韻に浸ってないで! 早く、出て行って!)
松田君の腕を掴んで揺する。
(あっ、ああぁ、尊い……)
松田君は、歓喜に打ちひしがれて目を潤まさせている。
僕は、溜息をついた。
(まったくもう!)
僕は、松田君をなんとか引き剥がし、事なきを得た。
僕は、女装を解き中庭に向かう。
先に来て待っていた松田君が嬉しそうに手を振った。
クスッ。
あの松田君が、こんなに嬉しそうに手なんか振って。
学校一の格闘家にして、鬼とまで言われた松田君。
デートで待ち合わせの女子みたい。
何とも微笑ましい。
まぁ、よかったのかな。
僕のせっかくの練習だったんだけど……。
僕達は、花壇の縁に座った。
松田君は、僕の右手を固く握り締める。
「会長! ありがとうございました!」
まだ、興奮している。
握力が凄くて正直痛い。
僕は、手を離そうとするけど、松田君は握った手をなかなか離そうとはしない。
「うん。でも、これっきりだからね!」
僕は、松田君に釘を刺す。
松田君は、子供みたいにコクリと頷いた。
なんだか可愛い。
僕は、やっとの事で握手を振り解く。
松田君は、ふと何かを思い出したように言った。
「ところで、会長」
「ん?」
「会長は、どうして女装をしていたんです? あれ、うちの女子の制服でしたよね?」
ああ、そっか。
フェラ用のスタイル。
松田君に見られてしまう事をすっかり忘れていた。
でも、まぁいいか。
松田君なら、今さら女装ぐらいバレたって。
一緒に、同じペニスを舐めた仲だもんね。
「えっとねぇ。山城先生は、女の子の格好が好みなんだ。だから、女装すると元気いっぱいになるわけ」
「へぇ。山城先生の好みに合わせてですか。なるほど」
松田君は、感心して、うんうん、頷く。
そして、言った。
「俺、お願いがあるんですけど?」
「ん? どうしたの?」
「俺、女装したいんですけど、指南してもらえないですか?」
「ぶっ!」
僕は、思わず吹く。
「松田君、女装って……」
「おかしいっすか?」
松田君は、真顔で言う。
「おかしいよ! そんな大柄のムキムキの体で女装なんて!」
「ははは。大丈夫っすよ。俺、結構可愛くなる自信、ありますから!」
僕は、口をあんぐりと開けた。
松田君の女装姿を想像する。
筋肉隆々の体にフリルのスカート。
強面の顔にマスカラ、リップ、チーク。
三つ編みのウィッグ。
低い声で「あたし、綺麗?」
うっ。
これは相当やばい。
きっと、山城先生は、度肝を抜かれる。
ふふふ。
そんな、様子も見てみたい気もする。
それにしても……。
一体何処から来るのだろう、この自信は。
「ところで、会長」
「何?」
ああ、いつの間にか『会長』って呼びかけに自然と答えちゃっている。
はぁ。
もう、いいや。
「俺、提案があるっす」
「提案?」
「会長は、フェラが上手くなりたいんすよね?」
「まぁね」
もう、これは言ってしまった事だから、今更とぼけても仕方ない。
「でも、山城先生もそんなに頻繁にはしゃぶらせてくれないですよね?」
「まぁ、そうだね」
「じゃあ、俺の一物を貸しますよ」
「ぶっ!」
僕は、思わず吹き出した。
「いやいや、僕はフェラ出来れば良いって訳じゃ無くて……」
松田君は、僕の言葉を遮って言う。
「だから、会長の一物を俺にしゃぶらせてください!」
「ぶはっ!」
僕は、さらに吹いた。
「俺も本番に備えて練習しておきたいんです!」
「本番って……また山城先生のフェラするつもり? いやいやそこじゃない。お互いのペニスで練習って……」
はぁ、はぁ。
何、この会話。
フェラするしないを真面目に言い合って。
って、オトムサ同好会、『男の体をむさぼる同好会』の主旨には沿ってはいるな。
いやいや、違う違う。
惑わされちゃ、ダメだ!
神妙な顔つきで僕の反応を伺う松田君。
このまま、松田君のペースに乗っては本当にオトムサ同好会の活動になってしまう。
僕は、キッパリと言った。
「松田君、それは出来ないよ! そもそも、僕のペニスは、好きな人じゃないと反応しないんだ。だから、僕のペニスじゃ松田君は練習できないからね」
「まっ、マジっすか……」
松田君は、驚いた様子。
目を見開いている。
「ごめんね。一生懸命なのは分かるんだけど……」
ちょっと、可哀想だったかな、と同情の念が沸き起こる。
松田君は、口を開く。
「やべえ、俺、マジ燃えてきたっす! そんな課題を与えられたら俺、余計燃えるっす! 男たるもの、壁を乗り越えて行くもの。会長! 俺、会長の一物を見事勃たせて見せますよ!」
松田君は、片目をつぶってグットサインをした。
そして爽やかな笑顔。
思わず、思っていた事が口から出ていく。
「はぁ。もう、松田君には、ついていけないや……」
氷室先輩といい、松田君といい、どうして、こうも変な人が集まってきちゃうんだろう。
僕は、生き生きとしている松田君を見て心底そう思った。
ともだちにシェアしよう!