41 / 60

4-15-2 イブに会おうよ(2)

クリスマスイブ当日。 僕と雅樹は、いつものショッピングモールで待ち合わせをして、その足で美映留神社へ向かった。 参道を歩いて社務所を目指す。 社務所に着くと、合格祈願の御守りを買った。 そう、クリスマスプレゼントは、これしかないよね! ということで文句なしで決まった。 「せっかくだから上に行くでしょ?」 僕は、参道の階段を指差す。 本殿は、この山の頂上。 「もちろん!」 雅樹は、受け合う。 「さぁ、登るぞ!」 僕は、意気込んで登り始める。 最初から結構きつい。 急勾配。 雅樹も、息絶え絶えになっている。 「はぁ、はぁ、だらし無いなぁ、雅樹は」 「仕方ないさ。はぁ、はぁ、完全に運動不足」 僕達は、息を切らせながらやっとの事で階段を登り切った。 鳥居をくぐり、本殿を望む。 寒かった体は、すっかりぽかぽかだ。 「ああ、いい景色だよ。雅樹!」 僕は、来た方を見下ろして叫ぶ。 「ほんとだ」 右手には、豊門川が流れ、左手には、ショッピングモール、中央駅、高層ビル群。 そして遠くの方に、美映留高校らしき建物がかすかに見える。 寒いから空気が澄んでいるのだろう。 街全体が日の光に照らされてキラキラ輝いてる。 「小学校以来。ここに登ったの……」 僕は、遠くを眺めながら言う。 小学生の頃は、毎年、初詣に来てたな。 そんな事を思い出しながら、懐かしい気持ちでちょっとしんみりする。 「さあ、めぐむ。お参りしよう!」 「うっ、うん!」 雅樹は、僕を元気付けるかのように、背中をトンっと叩いた。 年始年末を控えたこの時期。 しかもクリスマスイブとなると人っ子ひとり居ない。 雅樹は、手洗いをしながら言った。 「他に誰もいない方が、神様は願いを聞いてくれそうだな」 「ふふふ、そうだね。お願いする人が多いと神様も大変だもんね」 僕達は、そのまま本殿の前に立つ。 お賽銭を入れ、作法通りお辞儀と拍手。 そして両手を合わせる。 「二人で一緒に合格出来ますように!」 念入りにお願いをする。 よし! これで大丈夫! のはず。 お参りを終えた雅樹が突然言った。 「めぐむ、キスしようか?」 「えっ? ここで? 外だよ」 僕は驚いて声を上げる。 「平気さ。誰もいないだろ?」 「それは、そうだけど……今日の僕は男の格好だし」 「俺は、構わないぜ」 「でも、神様の前で不謹慎……んっ」 最後まで言う前に、雅樹に口を塞がれてしまう。 んっ、んっ、んっ……。 ぷはっ。 「もう、雅樹は! 不謹慎でしょ!」 「ははは。不謹慎な事なんて無いさ。神様の前だからこそ、正直な気持ちにならないとな」 雅樹は、意地悪そうな目つきをする。 「あれ? もしかして、めぐむはキスしたく無かった?」 僕は、雅樹を睨む。 「もう! したかったに決まっているよ!」 僕は、雅樹に飛びつき、雅樹の唇をむさぼり始めた。 美映留神社を後にした。 国道に出てバスに乗り、一路雅樹の家に向かう。 久しぶりの雅樹の家。 僕は、雅樹にいざなわれて玄関に入った。 雅樹は、「ちょっと待ってて」と言うとリビングの方へ向かった。 そこへ、拓海さんが姿を見せた。 「おっ、めぐむか?」 「拓海さん、こんにちは」 僕はお辞儀をする。 「あれ、拓海さん、今日はメガネなんですね」 「ああ、これからコンタクト着けるところだ。めぐむこそ、今日は女装じゃ無いんだな?」 「しーっ。僕が女装するって、拓海さん知らない事になっているんだから!」 「そっか、悪い悪い。で、今日はイブだから、雅樹とエッチか?」 僕は、慌てて雅樹が聞いていないか確認する。 「ちょっと! やめてください! そんなんじゃないです。一緒に勉強です!」 「あはは。冗談のつもりだったんだけど。何むきになっているんだ?」 「もう!」 僕は、頬を膨らませる。 まったく、兄弟揃って僕をからかうんだから。 「俺は、宗近のところに行く。あいつ、仕事だっていうから夜からだけどな」 「宗近さんですか。よろしくお伝えください」 宗近さんの涼やかな笑顔が思い浮かぶ。 おしゃれでカッコよくて僕の憧れでもある。 「ああ。今晩はイブだからよう、一晩中、可愛がってやるさ」 ぶっ! ちょっと、表現が露骨過ぎるよ。 聞いていてこっちが恥ずかしい。 それに、あの宗近さんが拓海さんとしている姿を想像すると……。 ああ、もう! いやらしい気分になってきちゃうじゃない! 「めぐむも、可愛がってもらえば良いさ。それにな、雅樹のやつ、ずっと勉強で溜まっていると思うから、激しいかもよ」 そっ、そんな。 激しいだなんて。 でも、たくさん熱くて白いのが出ちゃうのかな。 つい想像してしまう。 「ああ、でも、俺が家を出た後にしろよ。さもないと、俺までしたくなって3人でエッチするはめになるかもだからな。ははは」 「もう! 拓海さん! からかうのをやめてください!」 僕が拓海さんをたしなめていると、後ろから雅樹の声が聞こえた。 「あれ? 二人とも、そんなに仲良かったっけ?」 飲み物を乗せたお盆を手にしている。 聞かれた……。 心臓がドクン、ドクン音を立てる。 「雅樹、いつからそこにいたの?」 「いや、いまだけど」 「おう、雅樹! めぐむとはもう兄弟みたいなものさ」 雅樹は、拓海さんの言葉に微笑む。 「へぇ、まぁ、兄貴がめぐむを気に入ってくれているのは嬉しいな」 「だろ? めぐむになら、お前を預けても良いって思ってるよ」 「えっ?」 雅樹の呆気に取られた表情。 もう! 僕は、慌てて雅樹の背中を押す。 「雅樹! 行こうよ部屋!」 「ああ、行こうか……」 僕は、すれ違いざまに拓海さんにささやいた。 「もう、拓海さん! あまり余計な事を言わないの!」 「悪りぃ。ついな……」 雅樹の部屋に入った。 参考者やノートが部屋のあちこちに散乱している。 本当に勉強三昧のようだ。 雅樹は、それらをささっと寄せて場所を作る。 「めぐむ、適当に座って」 「うん」 僕は、先程の拓海さんとの話で少しエッチな気分になっていたけど、今日の主旨を思い出す。 そう、二人で勉強をする。 雅樹は、テーブルの前にテキストを広げた。 「さて、さっそく、勉強に取り掛かろうか?」 「うん」 僕もカバンからノートを取り出した。 しばらく集中して勉強に没頭した。 難問を攻略したところでホッとひと息ついた。 雅樹をチラッと見る。 真剣な表情。 一生懸命に打ち込む男の子の顔。 思わず、頬に触りたくなる……。 ああ、僕ったらちっとも集中出来てない。 雅樹と触れ合いたくて仕方ないんだ。 「ん? 俺の顔に何かついているか?」 「ううん、なんでも無いよ……」 慌てて、取り繕う。 いけない、いけない。 集中しよう。 「そうだ。せっかく、めぐむが来たんだから、教えてもらおうかな。ここ教えてよ。いつも、間違っちゃうんだ」 「うん、良いよ。どれどれ」 雅樹に近づいてテキストを覗き込む。 教科は英語。 テキストには、みっちりと書き込みがされている。 すごい……。 雅樹の本気度合がひしひしと伝わる。 「ここなんだけど……」 「ああ、ここはね、仮定法の省略になっているんだ」 「ふむふむ、なるほど」 すぐそこには、雅樹の顔。 ほんのり、息がかかる。 ああ、雅樹が近い。 もう少し近付けば、キスできそう。 心臓のドキドキが雅樹に聞こえちゃいそう。 その時、扉の外から拓海さんの声が聞こえた。 「おーい! 雅樹、俺は出るから後よろしく。あと、お袋達の帰りは遅くなるって」 「わかった! いってらっしゃい!」 雅樹は、大きな伸びをした。 「ちょっと、休憩しようか?」 「うん、そうしよう」 「さてと、飲み物のお代わり持ってくるよ。ところで、めぐむ……」 「何? 雅樹」 「……もしかしてさ、兄貴、俺たちの事、何か勘付いているのかな? どう思う? めぐむ?」 雅樹にバレた!? 心臓の打つ速度が急加速する。 「えっ、ううん。わからないけど……」 「そっか、めぐむは兄貴に気に入られているようだから、兄貴には話してみるか? 俺たちの事……」 拓海さんに? 拓海さんに話すとどうなっちゃうんだろう。 ちょっと想像してみよう、と目を閉じた。 雅樹と僕は、服を脱いで今まさにエッチをしょうと抱き合っている。 そこへ突然、拓海さんが部屋に入ってくる。 「雅樹、今日は俺も混ぜろよ!」 「しようがないな……いいぜ、兄貴の頼みじゃな」 「えっ、雅樹、拓海さんも?」 「めぐむ、平気だって。俺が二人いると思って」 「でっ、でも……」 そうしている間に、拓海さんは服を脱いで裸になる。 「ほら、めぐむ。お尻出してみろよ!」 拓海さんの言葉に、僕は四つん這いになりお尻を突き上げる。 「こう?」 「ああ、いい眺めだぜ。さっそく、入れさせてもらうぜ! 俺のビンビンになったペニスを!」 拓海さんのが僕のアナルに当たる。 そして、ズズッと挿入される感覚。 「うっ、入った。気持ちいい! やっぱり、俺の初めての男だ!」 「ん? 兄貴、何か言ったか?」 雅樹は、拓海さんの言葉に反応する。 僕は、慌ててフォローする。 「あっ、あっ、拓海さんは、何も言ってないよ、雅樹!」 僕は、体を揺すられながらも、後ろ振り返り拓海さんを睨む。 拓海さんは、申し訳なさそうな顔をして腰を振る。 「めぐむ、俺のしゃぶってくれ」 雅樹の突き出したペニスが僕の口に押し込まれる。 うぷ、んっ、んっ、ぷはっ……。 でも、拓海さんの激しいピストンの動きでうまくフェラが出来ない。 「あっ、ダメ、激しいよ、拓海さん」 「はぁ、はぁ、やばい、めぐむの中は最高だ! もう、出そうだ! いくー!」 拓海さんは絶頂を迎える。 すかさず、雅樹は言う。 「じゃ、次は俺の番。いくぞ! めぐむ」 「えっ、すぐに入れちゃうの?」 「ああ、兄貴には負けていられないからな!」 雅樹のペニスがアナルにあてがわれる。 すでに、拓海さんのペニスによって拡張された僕のアナル。 にゅっぽ、っと入っていく。 「あん、入っちゃった!」 「さぁ、行くぞ」 雅樹は、僕の腰に手を当てると、これでもか、と言わんばかりに腰を突き上げを始める。 「あっ、あっ、雅樹、激しいよ、はぁ、はぁ」 拓海さんは、雅樹と入れ替わるように、僕の目の前に来た。 「へっ、今のは油断だ。俺だって、次はガチでやらさせてもらう。めぐむ、俺のを舐めて拭ってもらえるか?」 今度は、拓海さんのペニス。 僕は、悶えながら、口に咥える。 「あっ、あっ。うぷ、んっ、んっ。あっ」 ああ、二人に上の口と下の口を交互に出し入れされて、おかしくなりそう……。 「めぐむ、どうした? 息が荒いけど……」 はっ! 雅樹の声で意識が戻る。 やばい。 これは、すごい事になってしまう予感。 なんとしてでも、阻止しないと……。 「雅樹、拓海さんには話さない方がいいと思う。僕達が付き合っている事」 「そっか、めぐむが言うんだったら、やめておくか……」 でも、なってしまったら、それは仕方のない事だよね……うん。 僕の胸はまだドキドキしていた。

ともだちにシェアしよう!