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4-15-2 イブに会おうよ(2)
クリスマスイブ当日。
僕と雅樹は、いつものショッピングモールで待ち合わせをして、その足で美映留神社へ向かった。
参道を歩いて社務所を目指す。
社務所に着くと、合格祈願の御守りを買った。
そう、クリスマスプレゼントは、これしかないよね! ということで文句なしで決まった。
「せっかくだから上に行くでしょ?」
僕は、参道の階段を指差す。
本殿は、この山の頂上。
「もちろん!」
雅樹は、受け合う。
「さぁ、登るぞ!」
僕は、意気込んで登り始める。
最初から結構きつい。
急勾配。
雅樹も、息絶え絶えになっている。
「はぁ、はぁ、だらし無いなぁ、雅樹は」
「仕方ないさ。はぁ、はぁ、完全に運動不足」
僕達は、息を切らせながらやっとの事で階段を登り切った。
鳥居をくぐり、本殿を望む。
寒かった体は、すっかりぽかぽかだ。
「ああ、いい景色だよ。雅樹!」
僕は、来た方を見下ろして叫ぶ。
「ほんとだ」
右手には、豊門川が流れ、左手には、ショッピングモール、中央駅、高層ビル群。
そして遠くの方に、美映留高校らしき建物がかすかに見える。
寒いから空気が澄んでいるのだろう。
街全体が日の光に照らされてキラキラ輝いてる。
「小学校以来。ここに登ったの……」
僕は、遠くを眺めながら言う。
小学生の頃は、毎年、初詣に来てたな。
そんな事を思い出しながら、懐かしい気持ちでちょっとしんみりする。
「さあ、めぐむ。お参りしよう!」
「うっ、うん!」
雅樹は、僕を元気付けるかのように、背中をトンっと叩いた。
年始年末を控えたこの時期。
しかもクリスマスイブとなると人っ子ひとり居ない。
雅樹は、手洗いをしながら言った。
「他に誰もいない方が、神様は願いを聞いてくれそうだな」
「ふふふ、そうだね。お願いする人が多いと神様も大変だもんね」
僕達は、そのまま本殿の前に立つ。
お賽銭を入れ、作法通りお辞儀と拍手。
そして両手を合わせる。
「二人で一緒に合格出来ますように!」
念入りにお願いをする。
よし!
これで大丈夫! のはず。
お参りを終えた雅樹が突然言った。
「めぐむ、キスしようか?」
「えっ? ここで? 外だよ」
僕は驚いて声を上げる。
「平気さ。誰もいないだろ?」
「それは、そうだけど……今日の僕は男の格好だし」
「俺は、構わないぜ」
「でも、神様の前で不謹慎……んっ」
最後まで言う前に、雅樹に口を塞がれてしまう。
んっ、んっ、んっ……。
ぷはっ。
「もう、雅樹は! 不謹慎でしょ!」
「ははは。不謹慎な事なんて無いさ。神様の前だからこそ、正直な気持ちにならないとな」
雅樹は、意地悪そうな目つきをする。
「あれ? もしかして、めぐむはキスしたく無かった?」
僕は、雅樹を睨む。
「もう! したかったに決まっているよ!」
僕は、雅樹に飛びつき、雅樹の唇をむさぼり始めた。
美映留神社を後にした。
国道に出てバスに乗り、一路雅樹の家に向かう。
久しぶりの雅樹の家。
僕は、雅樹にいざなわれて玄関に入った。
雅樹は、「ちょっと待ってて」と言うとリビングの方へ向かった。
そこへ、拓海さんが姿を見せた。
「おっ、めぐむか?」
「拓海さん、こんにちは」
僕はお辞儀をする。
「あれ、拓海さん、今日はメガネなんですね」
「ああ、これからコンタクト着けるところだ。めぐむこそ、今日は女装じゃ無いんだな?」
「しーっ。僕が女装するって、拓海さん知らない事になっているんだから!」
「そっか、悪い悪い。で、今日はイブだから、雅樹とエッチか?」
僕は、慌てて雅樹が聞いていないか確認する。
「ちょっと! やめてください! そんなんじゃないです。一緒に勉強です!」
「あはは。冗談のつもりだったんだけど。何むきになっているんだ?」
「もう!」
僕は、頬を膨らませる。
まったく、兄弟揃って僕をからかうんだから。
「俺は、宗近のところに行く。あいつ、仕事だっていうから夜からだけどな」
「宗近さんですか。よろしくお伝えください」
宗近さんの涼やかな笑顔が思い浮かぶ。
おしゃれでカッコよくて僕の憧れでもある。
「ああ。今晩はイブだからよう、一晩中、可愛がってやるさ」
ぶっ!
ちょっと、表現が露骨過ぎるよ。
聞いていてこっちが恥ずかしい。
それに、あの宗近さんが拓海さんとしている姿を想像すると……。
ああ、もう! いやらしい気分になってきちゃうじゃない!
「めぐむも、可愛がってもらえば良いさ。それにな、雅樹のやつ、ずっと勉強で溜まっていると思うから、激しいかもよ」
そっ、そんな。
激しいだなんて。
でも、たくさん熱くて白いのが出ちゃうのかな。
つい想像してしまう。
「ああ、でも、俺が家を出た後にしろよ。さもないと、俺までしたくなって3人でエッチするはめになるかもだからな。ははは」
「もう! 拓海さん! からかうのをやめてください!」
僕が拓海さんをたしなめていると、後ろから雅樹の声が聞こえた。
「あれ? 二人とも、そんなに仲良かったっけ?」
飲み物を乗せたお盆を手にしている。
聞かれた……。
心臓がドクン、ドクン音を立てる。
「雅樹、いつからそこにいたの?」
「いや、いまだけど」
「おう、雅樹! めぐむとはもう兄弟みたいなものさ」
雅樹は、拓海さんの言葉に微笑む。
「へぇ、まぁ、兄貴がめぐむを気に入ってくれているのは嬉しいな」
「だろ? めぐむになら、お前を預けても良いって思ってるよ」
「えっ?」
雅樹の呆気に取られた表情。
もう!
僕は、慌てて雅樹の背中を押す。
「雅樹! 行こうよ部屋!」
「ああ、行こうか……」
僕は、すれ違いざまに拓海さんにささやいた。
「もう、拓海さん! あまり余計な事を言わないの!」
「悪りぃ。ついな……」
雅樹の部屋に入った。
参考者やノートが部屋のあちこちに散乱している。
本当に勉強三昧のようだ。
雅樹は、それらをささっと寄せて場所を作る。
「めぐむ、適当に座って」
「うん」
僕は、先程の拓海さんとの話で少しエッチな気分になっていたけど、今日の主旨を思い出す。
そう、二人で勉強をする。
雅樹は、テーブルの前にテキストを広げた。
「さて、さっそく、勉強に取り掛かろうか?」
「うん」
僕もカバンからノートを取り出した。
しばらく集中して勉強に没頭した。
難問を攻略したところでホッとひと息ついた。
雅樹をチラッと見る。
真剣な表情。
一生懸命に打ち込む男の子の顔。
思わず、頬に触りたくなる……。
ああ、僕ったらちっとも集中出来てない。
雅樹と触れ合いたくて仕方ないんだ。
「ん? 俺の顔に何かついているか?」
「ううん、なんでも無いよ……」
慌てて、取り繕う。
いけない、いけない。
集中しよう。
「そうだ。せっかく、めぐむが来たんだから、教えてもらおうかな。ここ教えてよ。いつも、間違っちゃうんだ」
「うん、良いよ。どれどれ」
雅樹に近づいてテキストを覗き込む。
教科は英語。
テキストには、みっちりと書き込みがされている。
すごい……。
雅樹の本気度合がひしひしと伝わる。
「ここなんだけど……」
「ああ、ここはね、仮定法の省略になっているんだ」
「ふむふむ、なるほど」
すぐそこには、雅樹の顔。
ほんのり、息がかかる。
ああ、雅樹が近い。
もう少し近付けば、キスできそう。
心臓のドキドキが雅樹に聞こえちゃいそう。
その時、扉の外から拓海さんの声が聞こえた。
「おーい! 雅樹、俺は出るから後よろしく。あと、お袋達の帰りは遅くなるって」
「わかった! いってらっしゃい!」
雅樹は、大きな伸びをした。
「ちょっと、休憩しようか?」
「うん、そうしよう」
「さてと、飲み物のお代わり持ってくるよ。ところで、めぐむ……」
「何? 雅樹」
「……もしかしてさ、兄貴、俺たちの事、何か勘付いているのかな? どう思う? めぐむ?」
雅樹にバレた!?
心臓の打つ速度が急加速する。
「えっ、ううん。わからないけど……」
「そっか、めぐむは兄貴に気に入られているようだから、兄貴には話してみるか? 俺たちの事……」
拓海さんに?
拓海さんに話すとどうなっちゃうんだろう。
ちょっと想像してみよう、と目を閉じた。
雅樹と僕は、服を脱いで今まさにエッチをしょうと抱き合っている。
そこへ突然、拓海さんが部屋に入ってくる。
「雅樹、今日は俺も混ぜろよ!」
「しようがないな……いいぜ、兄貴の頼みじゃな」
「えっ、雅樹、拓海さんも?」
「めぐむ、平気だって。俺が二人いると思って」
「でっ、でも……」
そうしている間に、拓海さんは服を脱いで裸になる。
「ほら、めぐむ。お尻出してみろよ!」
拓海さんの言葉に、僕は四つん這いになりお尻を突き上げる。
「こう?」
「ああ、いい眺めだぜ。さっそく、入れさせてもらうぜ! 俺のビンビンになったペニスを!」
拓海さんのが僕のアナルに当たる。
そして、ズズッと挿入される感覚。
「うっ、入った。気持ちいい! やっぱり、俺の初めての男だ!」
「ん? 兄貴、何か言ったか?」
雅樹は、拓海さんの言葉に反応する。
僕は、慌ててフォローする。
「あっ、あっ、拓海さんは、何も言ってないよ、雅樹!」
僕は、体を揺すられながらも、後ろ振り返り拓海さんを睨む。
拓海さんは、申し訳なさそうな顔をして腰を振る。
「めぐむ、俺のしゃぶってくれ」
雅樹の突き出したペニスが僕の口に押し込まれる。
うぷ、んっ、んっ、ぷはっ……。
でも、拓海さんの激しいピストンの動きでうまくフェラが出来ない。
「あっ、ダメ、激しいよ、拓海さん」
「はぁ、はぁ、やばい、めぐむの中は最高だ! もう、出そうだ! いくー!」
拓海さんは絶頂を迎える。
すかさず、雅樹は言う。
「じゃ、次は俺の番。いくぞ! めぐむ」
「えっ、すぐに入れちゃうの?」
「ああ、兄貴には負けていられないからな!」
雅樹のペニスがアナルにあてがわれる。
すでに、拓海さんのペニスによって拡張された僕のアナル。
にゅっぽ、っと入っていく。
「あん、入っちゃった!」
「さぁ、行くぞ」
雅樹は、僕の腰に手を当てると、これでもか、と言わんばかりに腰を突き上げを始める。
「あっ、あっ、雅樹、激しいよ、はぁ、はぁ」
拓海さんは、雅樹と入れ替わるように、僕の目の前に来た。
「へっ、今のは油断だ。俺だって、次はガチでやらさせてもらう。めぐむ、俺のを舐めて拭ってもらえるか?」
今度は、拓海さんのペニス。
僕は、悶えながら、口に咥える。
「あっ、あっ。うぷ、んっ、んっ。あっ」
ああ、二人に上の口と下の口を交互に出し入れされて、おかしくなりそう……。
「めぐむ、どうした? 息が荒いけど……」
はっ!
雅樹の声で意識が戻る。
やばい。
これは、すごい事になってしまう予感。
なんとしてでも、阻止しないと……。
「雅樹、拓海さんには話さない方がいいと思う。僕達が付き合っている事」
「そっか、めぐむが言うんだったら、やめておくか……」
でも、なってしまったら、それは仕方のない事だよね……うん。
僕の胸はまだドキドキしていた。
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