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intermission 俺様ヒーローな君にヒロイン役は(EX5) ★
その日、雅は自分の姉に心から失望した。
姉とはわりと何でも話せるような間柄で、つい先日も同性と特別な付き合いをしていることをそれとなく話したのだが、まさかの事態が待っていた。
(姉さん、野暮にもほどがあるよ……)
実家からの荷物を受け取り、玄関で中身を確認していると、食品類に混ざって信じられない物が出てきたのだった。
というのも、《ジョークグッズ》《大人の玩具》と呼ばれる商品――ローター、アナルバイブ、アナルビーズといった品々で、思わず頭を抱える雅がいた。
(正直使ってみたいけど、さすがに玲央さん怒る……というかドン引くだろうなあ)
そう、確かにこんなものを送ってくる姉はどうかと思うのだが、関心がないといえば嘘になる。どうしようもない男の性というものだ。
少し想像するくらいならば――と考えたとき、ガチャリと玄関のドアが開いた。いつもなら足音で気づくのだが、今日はそれどころではなかったらしい。
「ただいま。……なに、仕送り?」
仕事帰りの玲央が部屋に上がってくる。あれやそれを隠す時間などなかった。
続いて聞こえてきたのはドサッという物音で、玲央が床にバッグを落としていた。
「えっと、おかえりなさい。今日は早いんですね」
とりあえず笑顔で迎えてみるも、玲央はわなわなと体を震わせている。視線の先にあるのは、姉から送られてきた例の物品だった。
「な……おまッ、はあぁ!?」
「違います! 姉が勝手に送ってきたんです!」
「は? な、なんだ、お前の姉貴って、マジでヘンなのばっか送ってくんな。てっきりそういったコトしてーのかと」
「え、したいですよ?」
うっかり口が滑ってしまった。気づいたときには遅く、玲央の眉がピクッと動いて睨まれる。
「このド変態! エセ草食系! いつになったら自制できんだよ!?」
「まだ手を出してないのでセーフです!」
「口にしたところでアウトだ、アウト! 早いとこ片づけろ!」
そうなるよなあ、と言われるがままにダンボールに詰めなおす。
ふと視線を感じて顔を上げてみれば、玲央がまだこちらを見ていた。
「もしかして気になります?」
「は!? 別に気になってなんかねーしっ」
玲央の顔が一瞬で赤くなる。反応からして、嫌悪といったネガティブな感情はないらしい――となれば遠慮はいらないだろう。
手を取って抱き寄せると、耳朶にキスしてから甘えるように囁いた。
「一つだけでいいんで、試してみませんか?」
「え、いや、無理無理! そんなん付き合ってられっか!」
「きっと気持ちいいですよ? 俺、オモチャ使ってる玲央さん見てみたいなあ」
口づけた箇所を舌先でくすぐれば、玲央の体が即座に反応を見せる。
下腹部が緩やかに膨らんだのを感じて、太腿で押し上げてやった。
「くっ……は……」
「あれ、玲央さんこれだけで? それとも、やらしいこと想像しちゃった?」
「ち、ちが……っ、あっ……」
ぐりぐりと擦るように脚を動かせば、玲央は悩ましげに腰を震わせる。
彼が折れるのも時間の問題だった。
ソファーで横になった雅に、玲央が上下反対にまたがっている――俗にいう《シックスナイン》の体勢。
玲央の窄まりにはアナルバイブが埋まっており、焦らすようにゆっくり動かせば、吐息が小さく零れるのだった。
「は、うッ……」
腰を浮かせて逃げようとするところを捕まえ、弧を描くように結合部を指でなぞる。そこがヒクつくのを感じながら、再びアナルバイブを体内に沈めてやった。
「これなら、俺がいない夜も寂しくありませんね?」
「な、なに言って……んぁッ!」
内壁のある一点を掠ったとき、ビクンッと玲央が仰け反った。
あからさまに今までと違う反応に、その部位を重点的に責めると、耐え切れず彼は全身を波打たせて悶える。
「あ、や、そこ、やめっ……あ、あぁ……っ」
「ここ、玲央さんのいいトコですよね? ビクビクしちゃって可愛い」
「や、やだってそこ、みやび……っ」
「そろそろ電源入れちゃおうかな?」
「なっ……やっ、ああぁ!?」
低い音とともに、アナルバイブが小刻みに振動する。
一番弱い振動だったが、玲央は泣き声交じりに喘ぎながら、体をガクガクと激しく震わせた。
「うあっ、あっあ、あああぁッ!」
そして呆気なく終わりを迎え、白濁をびしゃびしゃと雅の腹に散らせる。
「ああ、もうイッちゃった」
「っあ! イッた、イッたからあ……ッ!」
懇願されるも止めてなどやらない。絶えず責め立ててやれば、彼は泣きながら愛らしく身悶えした。
「やっ、だめだめ……ッ、や、だぁ!」
(本当に可愛い。可愛すぎてつい意地悪したくなる)
上擦った声、零れ落ちる涙、子供のようにイヤイヤと頭を振る姿……どれもこれもが煽情的で、嗜虐心が煽られるのを感じた。
「ここまで気持ちよさそうだと妬けちゃうなあ。俺のなんて、もういらないんじゃないですか?」
「あっ、あぁっ……やっ、ひ、ああっ」
「ふふ、玲央さんって本当にエッチですよね。オモチャでこんなに感じちゃうんだから……これ気に入りました?」
「ひあっ、こんな……のっ、あ、ン、や、ああぁ……ッ」
「やだ? やっぱり俺のがいい?」
「いっ、からぁっ! みや……じゃなきゃ、やら、って!」
その言葉に、アナルバイブの電源を切って引き抜いてやる。
玲央は肩で息をしながら体をよろよろと起こした。体勢を入れ替えるなり、胸倉を掴んでくる。が、少しも気に留めず、
「玲央さんは、オモチャより俺のがいいんですね」
口にした途端、胸倉を掴む手に力が加わった。
「ムカつくっ……! 最近ますます調子にノッてんじゃねえの、ええッ?」
「こんな俺は嫌ですか?」
「ッ! マジでそーゆートコがムカつく! わかってて言ってンだろーがっ!」
「はい。嫌いじゃないことくらい、わかってますよ?」
言って、不意打ちで唇を奪う。下唇をやんわり食んで舌先を差し出せば、それに応えるように舌同士が交わった。
角度を変えつつ互いを求めて、息が上がってきたところで唇を離す。額を合わせて至近距離で見つめ合った。
「ね、玲央さん。続きしてもいい?」
「うっせ、勝手にしろよ」
「じゃあ勝手にします。さっきよりもずっと、気持ちよくしてあげますね」
などと言ったら、軽く小突かれて「バカ」と小さく返ってきた。
かと思えば、顔を真っ赤に染めているものだから、雅は再び笑ってしまうのだった。
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