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おまけSS 酔っ払いにほだされて…(3)【後編】 ★
「足、自分で抱えて。――挿れてほしいところ、ちゃんと見せて?」
「くっ……」
雅が言うと、ベッドに横たわった玲央が、おずおずと太腿を胸元まで持ち上げた。
少し酔いが覚めてきたのか、玲央は羞恥に顔を歪めている。しかし、まだぼんやりとしているようで、こちらの言うことを従順に聞くのだった。
「もっと上……そう、上手ですね。玲央さんの綺麗なお尻が丸見えだ」
「おい、さすがに恥ずかしいって」
「大丈夫、俺しか見ないから」
そう口にする雅の手には、スマートフォンではなくハンディカメラ――映研で使用していた古い機種で、新調するとともに破格の値段で譲ってもらった――があった。
すでに録画は始まっており、解したばかりの玲央の秘所が鮮明に映っていた。
「玲央さんのここ、ヒクヒクしてますよ? 撮られて興奮しちゃってる?」
「バッ……マジでこれ、他のヤツに見せたりしねーよな?」
「俺がそんなことするとでも? こんなにもエッチな玲央さん、他の人に見せられるワケないじゃないですか」
言いながら腰を寄せて、自身を玲央の窄まりに押し当てる。一呼吸置いたあと、見せつけるようにゆっくりと先端を沈めていった。
「ぅ、あっ」
「玲央さんからも見える? 俺のが入っていくところ」
「ばっか……てめぇはAV男優かよっ」
「あ、今日はそういった体でやりますか?」
「誰がやるか……ッ、あ、ああっ……」
腰を押し進めるたび、熱く柔らかな内壁が甘えるように絡みついてくる。
本人の態度とは裏腹に、ここはいつだって素直だ。最奥まで一気に貫いてしまいたい衝動を抑えつつ、カメラで結合部を撮影しながらゆっくりと挿入を続ける。
「………………」
ふと視線を感じて顔を上げたら、恥ずかしげに赤面している玲央と目が合った。
咄嗟に顔を背けられるも遅い。嗜虐心が煽られるのを感じて、雅は静かに口を開く。
「玲央さん、やっぱりいつもより興奮してるでしょ? きゅうきゅうって、ものすごく締まってますよ?」
「うるさっ……あっ、ん……ッ」
「ああ、全部入りましたね」
「いちいち言うなっ……あ、くっ」
深く繋がったところで、ぐっと力を込めて突き上げた。擦るように刺激を与えれば、玲央は小刻みに体を震わせて悶える。
「や、待っ、いきなりっ……うあっ、く……」
「どうしたんですか? 奥、ぐりぐりって好きでしょ? 声出すの我慢しなくていいのに」
「やだ、って……ンな、撮ってる、のに……ッ」
「やだ? 本当に我慢できますか?」
勢いづけて最奥まで大きく穿つ。すぐさま押し出されるように、上擦った声が玲央の口から零れ落ちた。
「ひあっ、ああぁ……ッ」
「玲央さん、奥突かれて気持ちいいですね? 可愛い声、もっと聞かせて?」
囁きながら、玲央の体をガクガクと揺さぶってやる。
いつもとシチュエーションが違うせいか、より体が鋭敏になっているらしく、玲央は涙を流しながら快感に打ち震えるのだった。
「あっ、ン、やだ……みやびっ、あ、あぁ」
絶えず嬌声をあげる玲央が、手で顔を隠そうとする。けれど、もちろんのこと許してやるつもりはない。
「だーめ。顔隠さないで」
片手で容易く阻止して、カメラを玲央の顔へと向ける。
「ここが、玲央さんが一番よく映る角度」
「っあ、ばかっ……やっ、あ」
「ね、玲央さんの中どうなってるか教えて?」
「んなの、い、言えな……っ」
「言えないじゃないでしょ」
低く言って、感じやすい部分を重点的に責め立てていく。抉るように突き上げるたび、屹立から先走りを溢れさせて、玲央はひたすらに快感によがる。
「ぅあ、あッ! みやびっ、みやびのちんこでっ……いっぱい、なってるからあっ」
「いっぱいで気持ちいい?」
「んっ、ん、きもちっ……や、あっあ、んッ!」
「なら、もっとしてあげる。もっと俺を感じて、玲央さん――」
羞恥と情欲で満ちた表情に、気分の高揚を感じて仕方がない。駆り立てられるままに腰を振ると、玲央の息づかいが一段と荒いものとなった。
「や、あぁ……っ、も、だめ、あ、あっあ!」
「もうイッちゃう? カメラ回ってるのに?」
「ぅあっ、いや、やだ、撮んな、あぁ……っ」
「ほら、イッちゃえ。可愛いイキ顔、ちゃんと撮ってあげますから」
「や、だめ、だめっ……あ、あぁっ、ああッ!」
こちらの意地悪な言葉に抵抗の意思を見せるも、玲央は熱い体液を自身に浴びせて限界を迎える。長い射精のあと、ぐったりと脱力して薄い目で見上げてくるのだった。
「どうでしたか、カメラの前で乱れる気分は?」
「っ……」
「うん? 玲央さん、ひょっとして眠くなっちゃった?」
「ん、ぅ……」
小さく体を揺すれば、くぐもった声が聞こえてくる。アルコールを摂取したうえ、吐精したのだから致し方ないことではあるが、
「でも、少しだけ我慢。俺がイクまで……ね?」
言って、今度は大きく体を揺すってやる。玲央はハッとしたように声を発し、激しい律動に再び身を震わせるのだった。
◇
「あれっ、データ消えてるや」
「ったりめーだろ!?」
翌朝、スマートフォンとビデオカメラを確認すると、行為中に撮影したデータがなくなっていた。昨夜の記憶があったのか、先に起きていた玲央がすべて消去したらしい。
「残念だなあ。玲央さんがいないときとか、これで楽しもうかと思ったのに」
「なっ! お、お前、本気でド変態だろ!?」
ぎゃあぎゃあと吠える玲央に対して、「あーあ」とわざとらしく残念がる。
(……なんて、データはもうパソコンにコピーしてあるんだけど)
年下なのだから、これくらいの茶目っ気は許してほしい――雅は涼しい顔で、玲央の悪態を聞き流すのだった。
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