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すれ違い④

目の前が一瞬真っ暗になったその直後、身体が沸騰するように熱くなる。 「はぁ……はぁ……」 「……?」 ケイの様子がおかしいと気付いたキーク。 すると突然ケイの姿がみるみるうちに変化していくではないか。 「な、なんだっ……」 ケイを押さえつけていたキークの部下も彼の変化に驚いて慌てて離れる。 元々鋭い爪はより鋭利に、体もより大きく毛深く変化してゆく。 そしてケイの身体は最終的に真っ黒になり、顔、身体の形もまるで変わってしまい、顔つきはジャガーだろうか。 ライオン程ではないが鬣も少し生えている。 その姿はまさにライオンとジャガーのハイブリッド、ジャグリオンへと変貌を遂げた。 「ガルルル……」 獣の呻き声を上げるケイにキークは驚愕している。 「これは……なんだ………?」 こんな生き物は見たことが無い。 獣の特徴を持つギャペラだが、丸っきり獣の姿を取る事など皆無な為、ケイの今の姿は未知の生物である。 「ガオォォォ!!」 「………っ!!」 雄叫びを上げ威嚇すると、ギャペラよりもずっと大きな牙にキーク達は怯み後退りする。 そしてケイは彼らに突進するように向かって行くとキーク達は逃げるように避け、その拍子にキークの持っていた注射器は床に落ち、ケイの太い足に潰される。 その隙にケイは開いていた鉄格子から外へ脱走し、研究所の廊下を颯爽と走っていく。 「きゃーっ!!」 途中研究員とすれ違い、突然現れたジャグリオンに悲鳴を上げる。 だがケイは脇目も振らず突き進み、窓のガラスを突き破ると二階から木の上に着地し、そのまま木の上から降りて研究所の外へと走り去って行った。

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