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  「ありがとうございます」 「君の部屋に案内しよう。こっちだ」 広い廊下を歩きながら、突き当りの部屋に郁也さんが入る。 続いて入った瞬間、俺は広々とした部屋に瞠目する。 「必要最低限の物は揃えたつもりだが、もし気に入らないものや不足しているものがあったら教えてくれ」 「いえ!十分です!ありがとうございます!」 これ以上の物を望んだら、俺はとんだ我儘野郎だ。 広すぎる部屋には立派すぎる勉強机に、その上にはノートパソコンまである。大きな本棚には料理や学業の参考書がびっしりと置かれている。 一人で使うには勿体なさすぎるキングサイズのベットに、憧れの大きな液晶テレビの前には柔らかそうなソファーまである。 動作中のエアコンのおかげで室内は温かい。 「俺、本当にここを使ってもいいんでしょうか……?」 「勿論だ。思うように使ってくれて構わない。俺の部屋は隣にあるため、何かあれば来てくれ」 「大切に使います……」 やはり、俺は現在進行形で一生分の幸運を消費しているんじゃないだろうか。もう絶対燃え尽きそうだ。

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