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「よっしゃ、じゃあ早速1人ずつ自己紹介してくぞ!!質問ありだかんな!」
……………え?
「キャー緊張する!!」
「どんな質問来るんだろ…」
「おもしれー!」
周りが再びざわつき始める。
…てか、自己紹介って……どっ、どうしよう
「うーん、じゃあどういう順番で行こうかなぁ…あ、じゃあこっちの列からいこう!」
えっ、僕の列から…やっやばい……
1番前にいた男子がにやにやしながら席を立つ
「俺の名前は川本 太一 って言いま〜す!彼女募集中です♡」
「え〜やだ〜♡」「はいはい!好きなタイプは?」
「俺は竹下 優 でーす!たけゆうって呼んでね!」
「よっ、たけゆう!!」「たけゆー!(笑)」
「えーと、加藤 進 っていいます!皆と仲良くやっていきたいので、よろしくお願いします!」
「キャー、爽やかイケメン♡」「よ、男前!」
段々と順番が近づいてく…
どうしよう、どうしよう…なんて思っていると
「じゃあ次」
先生の声が聞こえて僕の番が来たことを知らされた。
急いで立ち上がると視線が一気に自分の方に集まる。
………怖い
「え?…何あの眼鏡」「前髪ながっ!」「うわ…暗そ〜……」「あの人、生理的に無理かも…」「よくこの学校きたよな…」
ヒソヒソとそんな声が飛んでくる
……好きでこんな格好してる訳じゃない
別にヒソヒソ好きに言うのはいいけど、目立ちたくはない。
「…え、っと…羽野……冬麻…です、よっ、よろしく…お願い……します…」
目を見られたくなくて下を俯く
クラス全体がシーンとした。
「あ、じゃ、じゃあ質問は?」
先生の声に皆誰が言う?と目線を配る…
だから、質問は嫌いだ。無駄に気を使わせてしまうから。
「あ、じゃあ!いつからその格好はしてるんですか〜??」
川本って人の質問に皆クスクスと笑い出す。
「…あ、えっと……さっ最近…です………」
「え?じゃあ中学はその格好してないんだ?へぇ〜ずっとそんな感じなんだと思ってたわぁ〜」
笑い声が大きくなる、中には「やめなよ」なんて言いながら笑いをこらえきれてない人もいた。
…最悪だ。
キラキラしすぎている学園だとは思っていたが、初めからこんなにズバズバ来るとは思ってなかった。
「ちょ、おっお前ら笑うなって…、えーっと…じゃあ次に行こーか」
虐められる心配はなかったはずだが、このままじゃ虐められるかもな…
そう頭の隅で思いながら席を座ろうと思ったその時、
突然、学校生活が変わる運命の出会いが
訪れたんだ。
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