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┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
ガラッと思いっきり扉が開く
「はっ、羽野おおおおお(泣)」
「せっ先生!?」
「だっ、大丈夫かぁぁ!ごめんなぁぁ!!先生が無理させてぇぇぇ(泣)」
「いっ、いえ!全然大丈夫です!!」
泣きながら謝る先生に驚きつつ、顔をあげるよう言う。
そういえば、人と話すとどうしても吃ってしまう僕でも杉山先生は普通に受け答えが出来る。
きっと、話しやすくていい先生だからだろう。
保健室の先生も話しやすかった。
「本当か!?……本当に大丈夫なんだな………あ〜良かった、羽野に何もなくて……(泣)」
「先生は大袈裟なんですよ、ねぇお姫様?」
チラッと保健室の先生が顔をのぞかせる
「あ、たっタオルありがとうございます」
「うふふ、そんな固くならなくていいわよ」
杉山先生を呼びに言ってた保健室の先生に僕はタオルを渡す。名札をふと見ると(斎野 しおり)と書いてあった、
「あっあの、お姫様って呼び方辞めてもらっても…」
「なんでよ、別にいいじゃない、可愛い子は皆お姫様でしょ?ねぇ杉山先生?」
「いやいや、斎野先生(笑)いくらなんでも羽野は姫ではないでしょう(笑)」
ギロりと斎野先生が杉山先生を睨みつける。
それに対して杉山先生は「ひぃっ」と声をあげた。
杉山先生の素直すぎる言葉に思わず頬が緩みそうになる。
そりゃ、誰だってこんな姿をしたやつをお姫様なんて呼ばないだろう。
僕は笑みがこぼれないよう眼鏡をクイッとあげた。
「けど、嘘じゃないわよ、杉山先生はこう言ってるけど」
「…え?」
「だって、見た感じ色白で顔から上は全く分からないけど下のパーツは凄く綺麗じゃない」
斎野先生がジロジロと顔を見つめてくる、顔をあまり見られたくなくて思わず下に俯いた。
「……まぁ、事情は人それぞれだからねぇなんでそんな格好してるのか分からないけど」
「あ、あれか!今流行りのコスプレってやつか!」
「先生は黙っててください…!」
またまた杉山先生が「ひいっ」と声を上げる。
どうやら立場は斎野先生の方が上みたいだ。
僕はまた笑みがこぼれないように眼鏡をクイッとあげた。
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