｢あっ、そうだ！羽野！実は羽野に相談があってな｣ ｢はっ、はいなんでしょう？｣ 杉山先生が僕なんかに相談なんてびっくりしたけど、少しでも力になれるなら答えたいと思った。 ｢実は、午前中に新しい植物係を決めようって事で立候補者を探してたんだが、誰もやってくれないんだよ……｣ 植物係…？そういえば、草むしりの時に女子がそんな話してたなぁ ｢誰もやる気ないし…女子なんか｢やだぁ〜、虫いっぱいいそぉ〜｣だとよ！そこは｢お花大好き〜♡｣でいいんじゃねえか！？｣ 皆外では｢植物係いないの！？｣って怒ってたけど、そりゃ自分ではやりたくないか…毎朝来なきゃ行けないみたいだし ｢いつもまとめてくれる河木は部活の集まりでいねぇし……どうしたらいいんだぁぁぁぁ！！｣ 先生がまた泣きそうになる。 それを傍から斎野先生が呆れ顔で見ていた。 ｢あ、あの｣ ｢どうした？羽野？｣ ｢良かったら…なんですけど、僕がやりましょうか？……植物係｣ ｢え！？………きっ、気持ちは有難いが、今日みたいにまた、倒れたら……｣ 先生があたふたと慌て出す。 ｢い、いや…こんなに毎日ボーボーなのは無理ですけど、毎日ちょっとずつ抜いてったら大丈夫ですし………それに｣ それに、雑草の僕にとって、キラキラ輝くお花を守ることが、唯一出来ることなんじゃないかな…… ｢……羽野？｣ ｢そっ、それにお花の手入れとか好きなんで｣ ｢そっそうか？本当にいいのか？｣ ｢はっ、はい、もちろんです…｣ ｢よっしゃー！決まった！！ありがとな羽野！！早速職員室に知らせに行くよ！！！｣ そう言うと杉山先生は保健室を出て職員室へ走っていった。 ｢はぁ、慌ただしい先生だこと…｣ 斎野先生のため息が保健室に響き渡る。 ｢それにしても、植物係について詳しいことは杉山先生に教えてもらったの？｣ ｢………あっ｣ 完全に聞きそびれた。 固まる僕を見てまた、斎野先生は大きくたため息をついた。