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僕は驚いて目を見開ける。 …周りからは眼鏡で分からないだろうが 「羽野が困ってんだろ」 「だって、一緒にいたいもん」 「お前なぁ……」 ダメ?と風隼さんが首をこてんと傾げる。 河木くんは呆れ返った顔で風隼さんを見るが、風隼さんは全く気にしてないみたい。 突然の河木くん登場に、強い視線がざわつきに変わっていく。 怖くなって逃げ出そうと少し動いてみるが 「どこいくの?」 と再び腕を掴む風隼さん。 「…羽野?」 と顔を覗き込む河木くん。 ……ダメだ、周りのざわつきも掴まれて逃げられない状態も、目の前にいる河木くんも 全部が胸の痛みになる。 ストレスだ… 「あ!蓮くーん♡」 「この校舎で出会うなんて…私感激」 「今から遊ぼーよ♡♡」 突然、何処から現れたのか香水をガンガンにつけた女の人達が風隼さんを取り囲む。 上級生だろうか、大人っぽい雰囲気とメイクの色気に見ていた人達も「すげぇ…」と声が漏れていた。 僕は全体の意識が違う方へと向かった事にしホッとし、河木くんの方をチラッと見る。 ドキンッ 河木くんと目が合った。 ずっとこっちを見ていたのだろうか、真剣な表情に戸惑いを隠せない。 思わず下に俯くと、河木くんが口を開ける。 「あのさ…羽野…」 何を言われてしまうのか… 頭がパニックになりかけた時だった 「うざいんだけど」 ……え? 突然の言葉に思わず後ろを振り向く 「匂い…臭すぎて倒れそう」 そこには、周りを囲む女の人達を毛嫌いそうに見る、風隼さんの姿があった。

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