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放課後、僕はお花の世話をするために裏庭にいた。
…と言っても、冬なので他の時期よりもやることがなく、新しい種も持っていないので暇している。
「…なんか、冬だからこそ出来ることって……」
ない……か………
そう思い、軽く落ち込んでいると
「……は、羽野!!」
……この声、
僕は聞いただけでわかる思いもよらない声の主にびっくりし、慌てて後ろを振り向く。
そこには、マフラーをぐるぐる巻きにし、雪だるま状態の河木くんが小刻みに震えながら立っていた。
「ど……どう、して……ここに」
「だっだってさ……植物…係だろ?はっ、羽野って?」
よほど寒いのだろう、声が震えていて河木くんらしくない話し方をしている。
それに、僕が植物係だと知ってる事にびっくりした。
「ごっ、ごめん…ここで話したかったんだけど……さっ、寒すぎるから…教室いっ、行ってもいい??」
可愛らしい理由にきゅんとなりながらも、河木くんが寒さに耐えながらも僕に対する話なんて思い当たる節が全くない。
僕は河木くんとは違う意味で吃りながら
「もっもちろん…です 」
と答えた。
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