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「…羽野ってずっとその性格なの?」
「…え?」
「人と話したりすること、苦手?」
ずっとじゃない。
むしろ、前までは人と話すことが誰よりも好きだった。
それも、ある日を境に全てが変わってしまったんだ。
「…羽野?」
なんて返したらいいのだろう、違うと否定すればいいのか、そうだよと嘘の肯定をすればいいのか……
分からない…
「…答えなくてもいいよ」
「……え?」
河木くんがふわっと笑った。
「羽野の困るようなこと、俺はしたくないから」
あぁ…この人はいつまで僕を虜にさせてしまうのだろう。
きっと、僕以外の人にも河木くんはこういうことを言ってしまうのだろうな。
優しく微笑まないで、暖かい言葉をかけないで、
「俺は、羽野と仲良くなりたい…友達になりたい」
これ以上優しくされたら、僕は……
今、踏みとどまらないと、後々自分の気持ちが抑えきれなくなる
君に彼女が出来た時、僕は死んでしまいたくなる。
傷つくだけじゃ抑えきれなくなる。
好きという気持ちが溢れかえってしまう。
いつになったら直ってくれるんだろう、このネガティブな性格も、前に進むことを恐れてしまう性格も……
――いつになったら
‘ 戻ってきてくれるのだろう ’
「ごめん…友達…には、なれない」
あぁ、ずっと友達でもいいからなりたいなって、近づきたいなって思っていたのに、
…結局負けるんだ。
「……どうして?」
…ねぇ、お願い悲しそうな顔をしないで…
君には笑っていて欲しい
雑草(ぼく)がどんなに踏まれても立ち直れるのは、向日葵(きみ)が笑っているからなんだよ?
向日葵(きみ)が笑っていなかったら雑草(ぼく)は、なにを目的に生きていけばいい?
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