45 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「まぁ、そんなことはどうでも良くて…」
「どうでもいい訳ないだろ!」
「もう、夏喜うるさい!」
「うるさいって…お前なぁ…」
「俺は冬麻くんに質問してて、夏喜にはなんにも聞いてないの!ねぇ、なんで夏喜とは友達にならないの?」
河木くんがはぁっとため息をつく。
どうやら、女の子達が言っていたことは本当らしく、河木くんは風隼さんに弱いらしい。
「なっ、なんで…って……」
「そう、なんで?」
呆れていた河木くんだったが、質問の答えは気になるらしく、僕の方をじっと見つめる。
…なんと答えたらいいのか分からない。思ったまんまなんて河木くんの前では言えないし
…軽く誤魔化す?…
それとも……
「…夏喜、ちょっと席外してくんない?」
(……え?)
「はぁ!?なんで!!」
「ちょい邪魔」
「お、お前…突然入ってきて…邪魔って……」
「あ〜もう、うるさいなぁ…邪魔なものは邪魔なの!!」
風隼さんはそう叫ぶと河木くんの腰をバンっと蹴る。
「…いっ」
衝撃の光景に僕は思わず口を開けてしまった。
「はい、帰った帰った「ちょっ…お前……」
風隼さんはそのまま河木くんを教室の外に押し出すと、鍵を閉め、廊下から見えないようカーテンを閉める。
「これでよし」
風隼さんはひとつ、伸びをすると僕の方を向き、ニコッと微笑んだ。
ともだちにシェアしよう!