46 / 437
┈┈┈┈❁⃘┈┈┈┈
「夏喜はいなくなったし、これで話しやすいでしょ?」
「…え?」
風隼さんは僕の顔を見ながらニコニコしている。
「さぁ、本人はいない事だし、思いの丈を思いっきり話してみなさい!」
「え?いっ…いや、えっと……そ、その……」
突然の発言に僕は戸惑いを隠せないでいる。
この人は一体何を考えているのだろう…いや、考えていることは分かる。
きっと河木くんの前では言いにくいという僕の気持ちを読み取ったんだ。
…だが、そこまでして友達になりたくない理由を知りたいものだろうか…
それに…
(何だか…風隼さんには僕の気持ち…全部見透かされているような気がする……)
いつものように浮かべる余裕の笑み、予測出来ない行動や仕草、そして…
「ただのマネキンにでも本音を吐くと思ってさ」
この人になら言っても大丈夫なのではないかと思わせる、安心感……
(苦手だ…)
……なのに、縋りたくなる。
全部思いの丈を曝露したくなる。
本当に不思議な人だ。
ともだちにシェアしよう!