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「…話す気にはなってくれた?」
風隼さんがふわっと頭を撫でる。
…とても、安心する…
何故だろう、初めて会った時からドキッとはしたけど、風隼さんの前では他の人に対する…怖いという気持ちがない。
杉山先生や斎野先生もそうだったけど、そこに関しては大人の人だと言うこともあり、安心感を持つのには納得した。
……けど、風隼さんは?
河木くんの友達だから…?
その理由もあるのかもしれないけど、何だか納得いかない。
「冬麻くん?」
風隼さんが僕の顔に近づく。
…やっぱり変だ。前までなら風隼さんが顔を寄せると、思わず横に逸らしていたのに…それが全くない。
変わってしまう。
自分の中で、変わることが恐怖へと変わっていく…
「……わかんないんです。」
「…え?」
「自分の気持ちが…変化が……怖いんです…」
拒絶しなくなった自分が怖い。
本当はいいことのはずなのに、安心出来る人が出来たって喜ぶとこなのに…
性格を戻せるチャンスだって嬉しいはずなのに……
変わっていってしまう自分が怖いんだ。
涙がポロポロと溢れ出てくる。
誰にも言うつもりはなかったのに、気持ちがみるみるうちに溢れ出てくる。
風隼さんが僕の顔をそっと撫でる。
もう、何も拒否反応は起こらない。
風隼さんは泣いている僕にニコッと微笑むと優しく涙を拭いてくれた。
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